新潟県上越市本城町に2018年7月21日、市立総合博物館をリニューアルした「上越市立歴史博物館」がオープンした。同市にあった中世の越後国府に始まる越後の都の変遷を、歴史資料のほかプロジェクションマッピングやVR(バーチャルリアリティー)、QRコードなどのデジタル映像コンテンツを多用して紹介している。オープン前日の20日には、市や展示資料の所有者、博物館の関係者など約80人が出席して開館記念式典が開かれた。
前身の総合博物館は1972年に開館し、2001年に新館の増築に合わせて本館を改修。今回、上越の歴史に特化した博物館として総事業費約5億3000万円をかけて再リニューアルした。
2階の常設展示は、「越後の都」「雪国のくらしと民俗」など全5章のテーマに沿った展示構成。
「越後の都」では、市が購入を断念した上杉謙信の愛刀で国宝の「太刀無銘一文字(号山鳥毛)」が展示されるはずだったガラスケースに、同市国府1の愛宕神社所蔵の市指定文化財で謙信奉納と伝わる軍配を展示。
「榊原家の時代」では、江戸時代の後半の130年間にわたって高田藩主を務めた榊原家の藩祖、榊原康政が初陣に着用したと伝わり榊神社の御神体だった甲冑を展示している。
「雪国のくらしと民俗」では、高田の雁木通りの石畳や雪下駄職人の店先を再現し、雪下駄や高田瞽女を描いた画家、斎藤真一の絵画を展示した。
1階と新たに開放した3階の屋上展望デッキは無料ゾーンで、入館料なしで入ることができる。展望デッキからは妙高山や南葉山、高田公園の内外堀などが眺められ、飲食持ち込み可能。観桜会の時期には公園内の桜を自由に観賞できる。1階のカフエ・ミュージアムショップ「御母家」は、コーヒーやワイン、甘味類を提供し、お土産コーナーもある。
開館記念式典で村山秀幸市長は「歴史博物館が市民が自らの街の歴史を見つめ伝え合い、先人が守り築いてきた取り組みの学びの場所となることを期待したい」と述べた。
開館記念企画展として「徳川四天王 榊原康政の遺宝」、企画展「生誕150年記念企画展 川上善兵衛」も9月17日まで開催されている。
開館時間は午前9時〜午後5時。観覧料は一般500円、小中高生250円で、市内の学校に通う小中学生は無料。
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