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上越と新潟結ぶ高速バスで「貨客混載」スタート 輸送時間短縮や新たな収入源確保

6日前

新潟県上越市の生産者による加工品や工芸品といった商品を高速バスのトランクスペースに積み込み、販売する新潟市中央区の百貨店「新潟伊勢丹」へ輸送する「貨客混載」の取り組みがこのほど始まった。輸送時間の短縮で生産者は鮮度の高い商品を消費者に提供できるほか、バス事業者は空きスペースの有効活用で新たな収入源につながるなど、多様な効果が見込まれる。

商品を専用コンテナに詰め込む生産者
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県、県内高速バス運行事業者、新潟県バス協会で組織する「新潟県内高速バスネットワーク協議会」と新潟三越伊勢丹による取り組み。関係者によると高速バスを利用した貨客混載事業は県内初だという。

輸送するのは新潟三越伊勢丹独自の基準と定義でセレクトしたオリジナルブランド「NIIGATA越品えっぴん」の商品。他県で行われている高速バスを使った貨客混載事業を参考に、同社がバス会社に働きかけたことが事業スタートのきっかけだ。

同社によると上越市からは食品やガラス製品など現在8事業者の商品を取り扱う。生産者はこれまで、商品を宅配業者に配送依頼したり、自前で持ち込んだりしていたが、高速バスの空きスペースを利用する貨客混載の取り組みにより、低コストでの商品輸送、積み込みから約2時間後には商品が到着するため、鮮度の高い商品の提供が可能となる。また、店側は課題だった在庫管理などが解消するほか、バス利用者の減少により収支が悪化するバス事業者は新たな収入源を得るというメリットがあるという。

商品入りコンテナは高速バスのトランクスペースに入れられる
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2021年3月25日の初運行では、上越市栄町のくびき野バス本社営業所には輸送する商品を持った生産者が集まった。この日は大潟区の「苺の花ことば」がイチゴのマカロン、上越市本町4の「杉田味噌醸造場」がみそを使った焼き菓子、上越市のガラス工房「ファラジ」はガラス加工品、大潟区の「マルト歌代商店」はイチジク羹などを持ち込み、商品を入れた専用コンテナを新潟交通の高速バスに積み込んだ。

商品を積んだバスが新潟市に向け出発
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新潟三越伊勢丹の高橋芳明総合政策部長は「高速バスは運行時間が決まっているので、鮮度の良いものを生産者に細かく発注できる。県央や長岡へも規模を拡大し、毎日回転するようになれば」と期待。現在は常温商品限定で輸送しているが、今後は生鮮品の輸送も検討しているという。

杉田味噌醸造場の杉田貴子専務は「商品の輸送は通常、運送会社に依頼していた。送ってから早くても翌日に到着していた商品が、高速バスでその日に届けることができる。新鮮な状態でお届けできるので、上越の味をより楽しんでいただければ」と話していた。