新潟日報のミニコミ紙が公選法違反の可能性

「任期満了に伴う上越市議選(定数32)が15日告示され、41人が立候補を届け出て‥‥」――。新潟日報社が 上越地域で発行している「新潟日報 上越かわらばん」2012年4月16日付の記事。一見何ということはないごく普通の選挙の記事だが、実はこれが公職選挙法に違反している可能性が高い。

タブロイド判2ページで新潟日報社が毎日発行している「新潟日報 上越かわらばん」
kawaraban

公選法は、選挙が告示されてから投票日までの間、選挙についての報道・評論を掲載できる新聞、雑誌を限定している。選挙目当ての新聞や雑誌が乱発されることを防ぐ趣旨の規定で、違反した場合は2年以下の禁錮または30万円以下の罰金刑が定められている。

選挙運動期間中と投票日に選挙報道ができる日刊新聞の要件としては、(1)毎月3回以上号を逐って定期に有償頒布するもの(2)第3種郵便物の承認があるもの(3)6か月前から引き続き発行するもの――をすべて満たす必要がある。しかし、市選管によると、かわらばんには第3種郵便の承認がない。このためかわらばんは、公選法によると告示から投票日までの間は選挙の報道・評論が禁じられていることになるが、上越市議選が告示された翌日の2012年4月16日付で市議選告示の様子と候補者の一覧などを掲載した。

新潟日報上越支社の斉藤祐介報道部長は上越タウンジャーナルの取材に対し「公選法に抵触している恐れがあることが指摘を受けて分かったので、今後、選挙運動期間中は報道を差し控えます」とコメントした。4月17日付のかわらばんに、4月22日の投票日を過ぎるまでかわらばんに市議選報道を掲載しない旨の告知を掲載するとしている。

かわらばんは、新潟日報紙にチラシとともに折り込む形で旧上越市域を中心に約3万部を発行する上越地域では最大部数のミニコミ紙。

↓第三種郵便の承認とは(日本郵便HP)
http://www.post.japanpost.jp/service/standard/three_four/syounin.html