60年前の高田ロケ映画「縮図」 5月6日に上映

約60年前に新潟県高田市(現上越市)でロケが行われた映画「縮図」(新藤兼人監督)が2012年5月6日、上越市本町6の「高田世界館」で上映される。上越映画鑑賞会内の映画サークルが主催し、公開当時と同じ35ミリモノクロフィルムで上映する。

銀子が雪の中で倒れ伏す場面が撮影された西城町3の青田川沿い(映画に映る土蔵は現在も残っている)
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映画は今年4月22日に100歳の誕生日を迎える新藤兼人監督が、1951年に「愛妻物語」で監督デビューして以降、3本目となる監督作品。上越市でこの映画が上映されるのは、封切当時の1953年4月に本町2の高田シネマで上映されて以来、59年ぶりとなる。

高田ロケは1953年2月1日から3日まで、本町や仲町、西城町などで行われた。映画のクライマックスにあたる大事な場面である。貧しい靴屋の娘ゆえに千葉の芸者置屋に身売りされた銀子(乙羽信子)が、ようやく牡丹という名で座敷に出るようになったものの、女癖の悪い置屋のおやじに困り果て佃島の実家に戻った。しかし、父(宇野重吉)が倒れ再び芸者に。紹介されたのが雪国・高田であった。

「寿々龍」という名で座敷に出るようになり、名家の若旦那から「結婚しよう」と言われ、小さな家で二人の生活が始まる。しかし、倉持は無断で格式のある家の令嬢と結婚してしまい、銀子は雪の降る中、泣きながら歩き、雪の中に倒れ伏す。

映画には、雪そりに乗って本町通りを選挙運動する政治家の様子、仲町通りの雁木や町家、割烹宇喜世、仲町5の踏切を通過する蒸気機関車、西城町3の青田川沿いなどが出てくる。現在はロケ時と比べてずいぶん様変わりしており、貴重な映像記録にもなっている。

映画「縮図」ロケ地マップ

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映画の上映時間などは次の通り。

【会場】高田世界館(上越市本町6)

【日時】2012年5月6日(日)
 午前11時~、午後2時~

【料金】一般 当日1000円、前売り800円
 高校生以下 当日のみ500円

【問い合わせ】
 025-525-6990 喫茶プー横丁
 025-525-2205 高田文化協会

DVDにもなっている映画「縮図」
DVD縮図