地滑りで避難準備情報解除 「移動ほぼ収束」

新潟県上越市板倉区国川で発生した地滑りで、市は2012年3月27日、現場から約200m離れた同区曽根田(新屋敷)の5世帯20人に出していた避難準備情報を解除した。この日現場を調査した日本地すべり学会新潟支部の意見に基づき、土砂の流れが鈍くなっていることや土堰堤(土の堤防)の設置で、現時点では曽根田に土砂は到達しないと判断した。

同支部は調査の結果、3月20日以降の土砂の流れが鈍っており「移動は収束しつつある」との見解を示した。また曽根田を守るために設置された長さ380m、高さ3mの土堰堤についても、5mまでかさ上げ工事を実施しており、仮に土砂が到達しても十分対応できると判断した。

曽根田を守る土堰堤(写真左端が避難準備情報が出ていた曽根田の5世帯)
土堰堤1

同支部の丸井英明・新潟大学教授は「水抜きの効果が出ており、発生当時の1日に数メートルの移動量に比べ現在はほとんど動いていない。仮に予期しない大規模な崩落があっても導流堤(土堰堤)が設置されているので曽根田は安全な状態になっている」と話した。

今回の地滑りは3月7日に発生。土砂と雪が押し寄せ住家4棟を含む11棟が被害を受けた国川集落には依然21世帯80人に避難勧告が出ている。