新潟県上越市で2012年4月22日に予定されている市議会議員選挙に向けた動きが慌ただしくなってきた。次回選挙は、旧市町村単位の14の選挙区がなくなり、全市一区となる初めての選挙。定数も現在の48から32に減るとあって、激しい前哨戦がスタートしている。選挙まで半年を切った2011年10月30日時点での最新情勢をまとめた。
◇選挙区は東京23区の1.5倍
現在は2005年の市町村合併の特例措置により、合併前上越市と旧13町村の14選挙区があり、定数は合計48。合併前上越市の定数は30で、13区はそれぞれ定数1~3。次回選挙では全市が1選挙区となる。選挙区の面積は東京23区の1.5倍の広大で、各候補は従来の選挙戦術の変更を強いられている。
◇候補乱立? 少数激戦?
未だ態度を明確にしていない現職が多数いて情勢は流動的だが、上越タウンジャーナルの取材では、現時点では現職46人のうち33人前後が出馬する見通しだ。このほか新人2人と、2010年4月の県議選立候補に伴い辞職した元職2人が出馬するとみられる。
現時点では、定数32に対して37人程度の立候補という計算になる。しかし、定数減により当選ラインがこれまでより上がるとみられることから、今後現職の不出馬がさらに増えることも見込まれるため、最終的には少数激戦になる可能性もある。
新人として取りざたされている2人はいずれも合併前上越市在住。1人は市役所に勤める50代男性課長で新道地区在住。もう1人は東北電力勤務の30代男性で金谷地区在住。
このほかにも安塚区や吉川区などで新人出馬の動きがあるが、確定的ではない。
一方、不出馬の現職は、合併前上越市選挙区で7人、13区で5、6人とみられる。
◇動き早く勝負は11月!?
候補の動きもいつもより早まっている。すでにリーフの印刷を終えて、後援会活動に力を入れている立候補予定者も多数いる。合併前上越市選出のベテラン議員の一人は「全市1区になったので今までよりペースを上げて動いている。今冬が大雪なら1、2月は回れないし、3月は予算議会で動けない。11月が勝負だ」と話す。
また複数の現職は今月に入って数百人単位の支持者を集めた市政報告会を開くなど、これまでになく早い時期から激しい前哨戦が始まっている。
◇13区VS中心部の構図
県内他市や全国的にも、市町村合併の特例が切れた後の全市1区の選挙では、人口の多い市街地の票が周辺部出身の候補に食われるという現象が多くみられる。
人口の少ない周辺部出身候補にとっては、従来の地盤だけでは当選ラインに届かない場合が多く、危機感も強い。前回選挙の当選直後から全市1区の選挙をにらんで、合併前上越市に食い込もうと着々と活動を続けてきた現職もいる。
合併前上越市の現職の一人は「13区の候補は地元をしっかり固めた上で、親類縁者などのつてをたどって合併前上越市に攻め込んで来ている。人口の多い市街地が草刈り場になり、特に高田、直江津の市街地を地盤にしている候補は本当に厳しいのではないか」と解説する。別の合併前上越市の現職も「13区からどんどん攻めてくる仁義なき闘いだ」と話している。
全市1区の市議選は2012年4月15日に告示、同22日に投開票される。2011年9月2日現在の選挙人名簿登録者は16万6890人。
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