上越市が環境ISO14001返上へ 看板も撤去へ

上越市は、13年前に全国の市として初めて認証取得した環境マネジメントの国際規格ISO14001を来月、返上する。「地球環境都市宣言」など環境問題への先進的な取り組みで知られる同市では、長年の継続でISOの精神やノウハウが浸透したとして、8月から市内部の独自のシステムに移行する。8月23日の有効期限満了以降、「ISO14001認証」といった文言やマークの入った啓発看板や印刷物などが姿を消す。

国道18号、寺付近にある看板
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上越文化会館にある看板
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佐渡汽船ターミナルにも
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1998年2月、上越市は全国670市の中で初めてISO14001の認証を取得。環境問題への積極的な取組が評価され、同年4月には、第7回地球環境大賞に特別賞として新設された優秀地方自治体賞をドイツのフライブルク市とともに受賞。同年6月には「地球環境都市宣言」を行っている。ISO14001は同市の全庁挙げての環境活動を推し進めるとともに環境先進都市としてのシンボル的な制度でもある。

2009年度に同市が行政のセルフチェックとして実施した「事務事業の総ざらい」で、ISOの返上方針が決まった。

市によると、ISOによる事業管理が十分に定着した一方、認証を継続することが目的化しつつあり、システムが複雑化・肥大化して十分に機能が発揮できない状況が生じつつあることとして、今回、市独自のシステムに移行する。独自システムはISOのような目標管理、内部監査などの手法を引き続き継続しつつ、システムの簡略化などを図る。

市はISO14001を返上するが、市などの入札ではISO認証で加点する制度もあり、民間事業者への普及啓発活動は続けるという。

本年度、認定機関の更新審査を受けないため、8月23日で上越市のISO14001認証の有効期限が満了となる。啓発看板などの撤去は予算との関係をみながら、順次行われるという。