サッカー元日本代表の松田直樹選手が急性心筋梗塞で倒れ、2011年8月4日午後に亡くなった報道を受けて、心臓の働きを復活させる医療機器「AED」(自動体外式除細動器)への注目、関心が高まっている。
上越市健康づくり推進課によると、同市の公共施設に163台のAEDが設置されている(2010年2月1日現在)。2004年7月に一般への使用が認められた以降、同課が市役所や出張所など主な施設にAEDを配置し、以降は所管課で施設の利用状況などをみながら順次配置を進めている。設置数の目標などはないという。
松田選手は屋外で倒れ、AEDが近くになかった。糸魚川市では2006年7月、少年野球チーム所属の小学校4年生の男子が、ランニング中に急性心不全を起こして突然倒れ、心臓マッサージの甲斐なく死亡した例もある。
上越市の場合、AEDが設置されている屋外施設は、少年野球場、高田公園体育施設管理棟、金谷山スーパーボブスレー、キューピッドバレイスキー場だけで、そのほかの南葉高原キャンプ場、大潟キャンプ場、三の輪台、シーサイドパーク名立、海洋フィッシングセンター、尾神岳、ゲートボール場(屋内、屋外)などには、まだ配置されていない。
市体育課では「管理棟がないグラウンドや多目的広場などは管理上、設置が難しい。市が主催する高田城ロードレースや、今年のドリーム・ベースボールなどでは大会本部にAEDを置くなど、運用面で対処している」と話す。
高田北城高校野球部では、練習する球場が学校から1.5km離れていることから、OBによる野球部後援会が2009年にAEDを1台寄贈している。高嶋直行監督は「県内でもAEDを持っている野球部は少ないのではないか。幸いなことに一度も使っていないが、普段は部室に設置し、遠征のときには持って行っている」と話す。
AED導入の際、野球部員を対象に講習会をやっており、その後は学校で毎年7月に運動部の生徒を対象にやっている講習会に参加している。
同校のほか、糸魚川白嶺高校野球部もAEDを持っているという。
AEDを取り扱っている岡庭商行(上越市藤巻)では、「AEDを屋外に設置するのは管理面から難しい。最近のAEDはコンパクトになり、防水のキャリーバッグも付いて持ち運びやすいので、スポーツ団体、クラブ単位で持つのが好ましい。だが、価格はまだ高く、定期的なバッテリーや電極パッドの交換も必要。会員数が多い団体でないと難しいかもしれない」と話している。
なお、「AED設置場所検索」によると、AEDの設置台数は上越市は民間も含め236、妙高市が55、糸魚川市が71となっている(2011年8月5日現在)
【AEDに関する参考サイト】
◇AED設置場所検索(市町村別に検索できます)
http://www.qqzaidan.jp/AED/aed.htm
◇上越市施設のAED設置場所
http://www.city.joetsu.niigata.jp/uploaded/attachment/26416.pdf
◇AED普及協会
http://www.aedjapan.com/
◇日本心臓財団
http://www.jhf.or.jp/
◇AEDの普及を目指して~いのちを守る会「絆」
http://kizunanews.blog72.fc2.com/
◇イベントへのAEDの貸し出し(新潟県)
http://www.pref.niigata.lg.jp/jouetsu_kenkou/1310331671074.html
<メーカー>
*AEDの価格は30~50万円
◇フクダ電子
http://www.fukuda.co.jp/index.html
◇フィリップス
http://www.philips.co.jp/index.page
◇日本光電
http://www.aed-life.com/nihonkohden/dailycheck.html
◇フィジオコントロールジャパン
http://www.physio-control.jp/
◇CUメディカルシステム
http://cu911.com/japan/index.php