上越産米粉を使ったロールケーキが日本一に!

上越市頸城区北四ツ屋の農場「有限会社 西條ファーム」(西條裕之社長)の米粉を使用したロールケーキが、2010年10月に開かれた国内最大規模の洋菓子イベント「2010ジャパン・ケーキショー東京」の「国内産米粉を使ったロールケーキ部門」で農林水産大臣賞を受賞し、全国の予選を勝ち抜いた136作品の頂点に立った。

農林水産大臣賞を受賞した「e-ロール」
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受賞したのは、東京都港区の老舗洋菓子店「CHIANTI(キャンティ)」のパティシエ、安﨑正平さんが製作した「e-ロール」。米粉の自然な甘みと、きめ細やかでふわふわとした軽い食感を楽しめるロールケーキだという。

キャンティの川添社長と、西條ファームの西條社長(右)
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西條ファームの西條社長(39)と、キャンティを経営する有限会社春日商会の川添隆太郎社長は玉川大学農学部の同期生で、同じ食に携わる仕事であることから、以前から互いに「何か一緒にやりたい」と思っていたという。

5年ほど前に二人が大学の外部講師として招かれ、経営者として学生に講義したことがきっかけとなり、二人は再び夢を語りだした。

西條ファームでは無農薬米や、農薬や化学肥料を70~80%減らした米を29ヘクタール栽培しているが、ふるいの網目から落ちた規格外の米は網下米と呼び、くず米としてしか出荷できず、無農薬米ほど多く出るという。「手間ひまかけて作っても、産地も無農薬も関係ないくず米になるのは残念。最後まで消費者の顔が見えて、それが人間の食べ物になる方法はないか」と考えていた。

それが米粉だった。製菓業界でもちょうど米粉が注目されたことから、2年前に二人のコラボレーションがスタートした。

米粉はパティシエと情報交換しながら、米の品種をはじめ、製粉方法や粒度をいろいろ変えて製菓用に適した米粉をさぐった。その結果、品種はコシヒカリで、製粉はJAえちご上越のあるるん畑の製粉機を使った場合が最適だったという。

試作を繰り返し、今年の春にようやく商品化された。米粉に網下米を活用し、無農薬や減農薬、減化学肥料栽培をしている点、フードマイレージの点から、ロールケーキは「e-ロール」と名付けられた。

米粉は今年12月までに約250kgを納品した。「今年は網下米だけでは足りなくなり、白米を製粉して送ったほど。今後は精米の途中で出る砕け米や、着色米なども利用できないか試してみたい」と話している。

e-ロールは、キャンティ各店のほか、銀座松屋、丸の内ビルで販売している。オンラインショップでは取り扱っていない。

西條ファームのサイト
http://nishijo.com/

キャンティのサイト
http://www.chianti-1960.com

社団法人 日本洋菓子協会連合会のサイト(ケーキショーの詳細を掲載)
http://www.gateaux.or.jp/c/gateaux/101019.html