上越市内にある9体の人魚像 どれが美女?

日本の児童文学の父、小川未明の代表作「赤い蝋燭と人魚」にちなんで上越市内には多くの人魚像が存在する。上越タウンジャーナルの調査で、計9体もあることが分かった。なかなかの美女、美少女ぞろいなので、人魚像巡りはいかが? (最後に地図あり)

人魚像

人魚写真2

なお、2010年4月25日に閉店した大和上越店(上越市本町)の店舗1階フロアに人魚像があるが、ビルの所有者が建物を取り壊すことを決めている。そのため、解体前に人魚像を「小川未明文学館」に移設しようと、高田文化協会、上越美術協会、小川未明顕彰委員会、本町3、4、5丁目の各商店街振興組合が、「移設・保存する会」を作って165万円の移設費用を集める活動を行っている。なお、高田区の地域協議会に2011年度の地域活動支援事業として137万5000円を申請したが採択されず、移設は厳しい状況になっている。

【注】 写真は8枚だが、鵜の浜人魚館の男女浴槽に設置されている人魚像は2体あるため、合計9体となる。なお、掲載は設置が古い順とした。

春日山神社(上越市大豆)

春日山神社人魚

神社社務所前にある人魚の母と娘の人魚像。上越市内にある人魚像ではもっとも古く、1971年(昭和46年)に建立された。小川清隆宮司が材料費を出し、直江津中学校の美術教諭(当時)、横尾昭司氏が制作した。コンクリート製で、いまはコケむしている。

小川宮司は「コケをはいで、ブロンズ像に見えるように色を塗ろうと計画している」と話している。コケむした人魚像を見られるのは、今年が最後かもしれない。

稲田小学校(上越市稲田1)

稲田人魚

児童玄関の横にあるコンクリート製の人魚像。1972年(昭和47年)9月に県新国語科研究会が同校で行われたことを記念して建てられた。制作は春日山神社の人魚像と同じ横尾昭司氏で、「むすめ人魚の像」と名付けられている。

旧大和上越店(上越市本町4)

100417大和人魚

同店建設に際し、社内で「上越を象徴するようなものを設置したい」との声が上がり、、地元の意見などを踏まえて検討した結果、人魚像が設置された。かつては人魚像の周囲に噴水装置も設置されていた。1975年の同店オープンの前日に除幕式が行われた。

船見公園(上越市中央3~5)

船見公園人魚

人魚のブロンズ像は、公園の正面ゲートに海と向かい合うように設置されている。「新潟県の文化がかおる1%モデル事業」として県が1991年(平成3年)3月19日に建立した。ブロンズ像は高さ1.8m、重さ180kgで、富山県高岡市の竹中製作所に発注し、同社専属の彫刻家、大道寺光弘さんが5か月がかりで制作した。制作費は約400万円。伏し目がちで哀愁漂う表情が特徴。

鵜の浜海岸(上越市大潟区九戸浜)

鵜の浜人魚

鵜の浜海岸にある人魚のブロンズ像は、(1993年)平成5年に建立した。制作は渡邉憲氏。

人魚像から西に600mの雁子浜には「人魚伝説公園」がある。ここには人魚伝説の碑(平成5年建立)があり、小川未明の「赤い蝋燭と人魚」は、この伝説をヒントに書かれたと言われる。未明が参考にしたのは、未明が主宰する「北方文学2号」(1912年)に「人魚塚」という題名で掲載されたものとされ、児童文化研究家の上笙一郎は「無意識的にもせよ未明が大潟町の人魚伝説に拠ったことは疑いを容れない」と書いている。

ロイヤルホテル小林(大潟区雁子浜)

ホテル小林人魚

同ホテルの増築記念として、小林一定社長が1994年(平成6年)7月に建立。石像である。

鵜の浜人魚館(上越市大潟区九戸浜)

人魚館

人魚館風呂人魚

館の入り口には3色の石で造られた人魚像がある。人魚がイルカとたわむれている。同館がオープンした1997年(平成9年)の建立で、作者不詳。また、男女の各浴場にはブロンズ製の人魚像が置かれている。顔やスタイルは西洋人に見える。

↓上越市内にある人魚像

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