上越市議会9月定例会最終日の2016年9月27日、市が購入の方針を示している上杉謙信の愛刀で国宝の「太刀無銘一文字(号 山鳥毛)」について、募金活動を行う市民団体への補助金などを計上した補正予算の採決が行われた。5会派すべてが賛成・反対の討論を行い、採決では共産の4人が反対したが賛成多数で可決された=写真=。
市は、評価額約3億2000万円の太刀取得費用は来年度の当初予算に計上する予定。今回の市議会9月定例会には、募金活動を行う市民団体「国宝謙信公太刀(山鳥毛)収集市民会議」(会長・田中弘邦上越商工会議所会頭)への補助金10万円と、ふるさと納税用のパンフレット印刷費28万円が補正予算案として提案されている。
討論では、平良木哲也議員(共産)が「刀剣の取得については市民の間で賛否が分かれている。まずは市民の声を聞くべきで、取得を前提とした予算提案は順序が逆」と反対した。このほか4会派は賛成で、「取得について賛否があることは承知しているが、またとないチャンスでこの機を逸してはならない」(公明・山田忠晴議員)、「千載一遇のチャンスで市長の判断は適正」(創風・大島洋一議員)、「謙信公の遺品、国宝の太刀が戻ってくることは大変ありがたい。(市長が)決断したことに心から敬意を表する」(みらい・永島義雄議員)、「総括質疑、一般質問で会派の議員が議論したが、基本的には取得に賛成。市民の理解は十分に得られると思う」(新政・草間敏幸議員)などと述べた。
このほか、昨年度の決算認定など全議案が可決された。
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