小林古径記念美術館が10月3日にオープン 古径邸に隣接して新設

新潟県上越市出身の日本画家、小林古径の作品を中心に、同市ゆかりの作家の作品を収集、展示する「小林古径記念美術館」が2020年10月3日、同市本城町の高田城址公園内にオープンする。これに先立ち9月28日、報道陣向けに内覧会が開かれた。

小林古径邸の管理棟を増築した小林古径記念美術館
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同館は旧同市立総合博物館(現歴史博物館)の一角にあったが、小林古径邸の管理棟を増築して移転させるため、2016年から工事が進められてきた。平屋建てで、延べ床面積は809.67平方m。運営をともにする古径邸を含めた敷地面積は5136.99平方m。

館内には、地の色が白っぽい古径作品を引き立てるため紺色の壁となっている「古径記念室」や、多彩な展覧会を行う「企画展示室」、年間を通してワークショップや講演会などを行う大きな窓ガラスに囲まれた「二ノ丸ホール」などがある。

古径記念室
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企画展示室
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作品も展示中の二ノ丸ホール。窓から高田城三重櫓や古径邸が望める
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同館では、古径の作品や身の回りの品など約1800点に加え、これまで総合博物館が所蔵していた同市ゆかりの作家、富岡惣一郎や斎藤真一、牧野虎雄などの作品約1500点も収蔵し、年4回の展覧会で展示する。

10月3日のオープン日からは、開館記念展「じょうえつ美術のチカラ」が、来年3月21日まで開かれる。12月20日までを前期とし、1月5日からの後期では作品を入れ替える。第1部「小林古径 人と作品」の前期では、未完のまま残された絶筆の「牡丹」や青年期の作品「少女」など同館選りすぐりの古径作品9点や、古径愛用の画材や印章を展示。第2部「アートでつなぐ上越の150年」の前期では、明治時代以降の上越市の歴史の中で生み出された絵画などの平面作品や立体作品約120点を展示する。

上越市ゆかりの作品を時代別に章立てて展示
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古径邸(左)と美術館の間の庭園にも作品を展示
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宮崎俊英館長(61)は「『上越市には市立美術館がない』と美術協会が活動を続けて40年、やっと古径と市ゆかりの作家を顕彰する施設ができた。皆さんが知らなかった上越市ゆかりの作品を展示していく」と話している。

開館時間は午前9時から午後5時まで(12〜3月は午前10時〜午後4時)。10月3日は正午にオープンする。月曜(祝日の場合は翌日)と祝日の翌日は休館。入館料510円、小中高生260円。上越市内の小中学生は無料で、開館記念展中は高校生も無料。

会期中はワークショップなどのイベントが行われる。詳しくはこちら

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