上越大通りに “謎の事務所” 10月の市長選への布石?

新潟県上越市大和2の上越大通り沿いのコンビニ跡に今月に入りある事務所が開設された。窓には「人口減少対策」「13区の再生対策」「新幹線対策」など10月の上越市長選を意識したような看板が張り出されている。同市長選に立候補を表明しているのは3選を目指す現職の村山秀幸氏(68)と新人で元市議の中川幹太氏(42)の2人だけだが、“謎の事務所” はいずれの陣営のものでもない。

事務所の窓
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「上越のまちづくりを考える会」

この事務所を運営しているのは今月設立された「上越のまちづくりを考える会」。市内の会社役員、近藤郁(ゆう)さん(47)が代表で、会則では「上越地域の発展と豊かな郷土を築くこと」を目的に、人口減少や地域活性化、中山間地政策などについての勉強会の開催、会報の発行などを行うとしている。

上越大通り沿い大和2の事務所(右の建物の1階)
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市長選では…

近藤代表は「あくまで上越のまちを良くしようという主旨で有志数人が集まった」と話す。市長選については「上越市にとってどういう人がいいのか考えようというスタンスで、現在立候補を表明している2人についてもフラットに比較したい。もし仮に第3、第4の候補が出てきてもそれは同じ」としている。

勝手連?

次期市長選については、政策通で知られた元上越市長、宮越馨氏(75)の名が取り沙汰されており、同会公式ブログには「現在の市政の停滞感を払しょくすべく立ち上がりました。政策を実現する為に政策通の人を」といった投稿もある。こうしたことなどから、同会自身は否定しているものの、現職の村山陣営はこの事務所について、事実上宮越氏の勝手連とみており、今後の動きを注視している。また、中川陣営も「宮越氏は必ず出馬すると思っているので、こうした動きがあっても不思議ではない」としている。

「静観」!?

名前が取りざたされる宮越氏本人は、今年3月には自身が考えた「子供年金」制度についてのフォーラムを開催したほか、上越妙高駅東口へのホテル誘致に動くなど、上越市のまちづくりに関して精力的に活動している。しかし、次期市長選については依然「静観」の構えを崩していない。同会については「私とはまったく関係がない。誰がやっているのか、メンバーも知らない」と話している。

今後は勉強会など

同会では、勝手連という見方については「今の市政に閉塞感があると感じているのは事実だが、そういう団体と思われては困る」と全面的に否定している。「とにかく上越を良くするために考えたり、勉強会などを開いたりしていきたい。また今回の市長選では投票率向上につながるような取り組みもしたい」としている。

上越市長選は10月29日。8年ぶりの選挙戦が予想される。

「上越のまちづくりを考える会」事務所の場所

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