新潟県上越市西本町3の老舗の人気パン店「バラパン西本町店」が2017年12月31日の営業を最後に閉店する。店は創業から約50年で、2代目店主の上屋直誉さん(62)は「3代にわたって買ってくれたお客さんもいる。感謝の一言に尽きる」と話している。
同店は、1968年に現店主の上屋さんの姉夫婦が創業した。姉夫婦は、中央1にあった1902年(明治35年)創業の老舗パン店「木村屋本店」(2008年閉店)で修行し職場結婚。上屋さんの義兄は中央2にあったパン店「マルフジ」(約30年前に閉店)にも勤務し独立した。
創業時の店名は「バラ洋菓子店」で、パンだけでなくケーキなどの洋菓子も製造していた。英語で「ローズ洋菓子店」と付けたかったが、当時、南本町3に「ローズ」という名のケーキ屋があったこともあり、「子どもにもわかりやすい」と日本語にしたという。その後、パン製造のみとなったことからお客が「バラパン」と呼ぶようになり定着した。
上屋さんは中学校卒業と同時に姉夫婦の店で働き始め、その後、安江1に姉が店主となり「安江店」も開店した。また、県立直江津高校でもパンを出張販売し、2007年に同校が直江津中等教育学校となるまで行っていた。
同店のパンは、しっとりとした甘みのあるパン生地が特徴。コッペパンにキャベツやキュウリ、ハム、マカロニをマヨネーズで和えはさんだサラダパンやタマゴパン、コロッケパン、スパゲッティーパンなどの惣菜パンやあんこをパン生地で包んで切って焼いたキリアンが人気で、毎日早朝5時30分に開店し正午前後には売り切れている。
46年間、定休日もなくほとんど毎日深夜12時からパンを作り続けてきた上屋さんだが、製パン機械や店舗が老朽化し後継者もいないことなどから、今年限りでの閉店を決断した。
上屋さんは「閉店は申し訳ない。本当に皆さんにはお世話になった。ありがとうございました」と話している。
上屋さんの姉が経営する安江1の「バラパン安江店」は引き続き営業する。