利用者少なく3月末で廃止 上越市の高田駅前コミュニティルーム

新潟県上越市は、高田駅前のマンション内の集会施設「高田駅前コミュニティルーム」(同市仲町4)を3月末に廃止する。地域住民の交流や中心市街地活性化などを目的にマンションの一角を同市が購入して2006年に開設したが、利用者が減り、オープンから10年あまりで廃止されることになった。

マンションの1、2階に市が設置した高田駅前コミュニティールーム
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マンションの一角を約1億2200万円で購入

「高田駅前コミュニティルーム」は、集会施設が少なかった高田駅前周辺の住民要望などを受け、2006年7月、12階建ての分譲マンション「ダイアパレス高田駅前」(住宅戸数60戸)の建設にあわせ開設された。マンション2階のテナントなどが入るスペースの1室(約114平方m)のほか、1、2階のエレベーターホールや給湯室の一部を同市が約1億2200万円で購入した。

椅子を置いた状態で約70人が使用可能で、ダンスや軽運動もでき、駅周辺の町内会の会議や研修会、趣味サークルなどの活動の場としての利用を見込んでいた。

高田駅前コミュニティルーム入り口
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コミュニティルーム内部
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町内会などの利用は低調

しかし、利用は民間企業が中心で、町内会など地元団体による活用は2015年度では総利用件数84件のうち11件にとどまった。全体の利用者数も2013年度の4443人をピークに2016年度は1573人まで減少した。市は、近隣の予備校が自前施設ができたことで利用しなくなったことや、近くに高田小町(本町6)やあすとぴあ高田のミュゼ雪小町(本町5)のような類似施設が整備されたことで利用者が減少傾向にあるとして、本年度末での廃止方針を決めていた。

民間への貸付・売却の方針

同市用地管財課によると、廃止後は、民間への売却や有償貸し付け、市の事務や事業を行う場としての活用などを検討していくという。

同コミュニティルームと同じ階には、同市土地開発公社の解散に伴い、同市が代物弁済によって取得した1室(約166平方m)もあるが使用されていない。

高田駅前コミュニティルームの場所