新潟県上越市内の海で釣った魚を直江津地区の特定の飲食店や鮮魚店に持ち込むと、料理人が調理して提供してくれるというユニークな取り組みがこのほどスタートした。自分の釣った魚で、プロが調理した “格別な味" を楽しめる。県の企画で、今年初めての取り組み。
増える県外釣り客にアピール
新潟県は2016年7月から、中部電力上越火力発電所(上越市八千浦2)の先の第3東防波堤の一部を釣り場として開放した。同年11月末までに1万2000人以上が利用したが、このうち約7割が県外からの利用者だったという。
同釣り場は今年も3月から開放されており、11月末までに3万人以上の利用者を見込んでいることなどから、県は、県外の釣り客に釣りたての新鮮な魚を味わってもらい、「直江津のまち」「上越の食」を楽しんでもらおうという狙いだ。
居酒屋や鮮魚店など7店が協力
企画に参加している店は地魚料理を提供する店をはじめ、居酒屋、和食店、イタリア料理店、鮮魚店の7店舗。今年8月9日に開始以来、県外を中心とした釣り客が各店に魚を持ち込んでいるという。調理の価格は店舗によって異なり、魚の種類や量、内容で、持ち込み者と各店舗によって決める仕組みだ。
このうち、上越市中央1の「地魚料理 瀬里奈」の店主井上主税さん(69)は、「自分の釣った魚を(飲食店で)調理してもらい、食べることができるのは魚の大きい小さいにかかわらず、格別だと思う。お客さんが食べたいものを聞いて作りますよ」。
県のチラシで同企画を知った長野県の4人グループが、釣り上げた約40センチのタイ2匹を同店に持ち込んだ。一人800円、計3200円で、井上さんは姿盛りなどにして提供し喜ばれたという。井上さんは「参加店舗がもっと増えてくれればいい。直江津だけではなく、市内全体で取り組んでいけたら」と話す。
持ち込む前に事前連絡を
なお、魚の持ち込みに際しては必ず事前に店舗へ連絡を入れて、持ち込みが可能かを確認することや、魚を釣ってから店舗に持ち込むまでは氷水を入れたクーラーボックスで保管すること、フグは持ち込まないといった注意事項も設けられている。魚の保存状態によっては受け入れを断る場合もある。
県の担当者は「自分が釣った魚をプロの調理で味わいたい方、釣りは好きだけど魚の調理は苦手な方、ファミリー層など、多くの方から利用していただきたい」と幅広い利用を呼び掛けている。
問い合わせは、新潟県上越地域振興局 企画振興部 地域振興課 025-526-9326。
釣った魚を持ち込める店舗
- 居食屋 YAGAIYA(中央1)025-545-1865 第1・3日曜休み、営業時間は午後5時〜同11時。持込客の受入時間は午後2時〜同9時。
- 旬香集陶 泰三(西本町1)025-544-7445 日曜休み、営業時間は午後5時〜同10時。持込客の受入時間は午前10時〜午後3時。
- オステリア サカヅメ(西本町3)025-545-4331 火曜休み、営業時間は正午〜午後2時、午後6時〜同9時。持込客の受入時間は営業時間内。
- 地魚料理 瀬里奈(中央1)025-543-2878 不定休、営業時間は午前11時〜午後10時30分。持込客の受入時間は午後6時以降。魚は来店2時間前までに持ち込む。
- 海鮮割烹食堂 樹八(西本町1)025-544-9272 不定休、営業時間は午前11時〜午後2時、午後3時30分〜翌1時。持込客の受入時間は営業時間内。
- お食事処 多七(中央1)025-543-7125 無休、営業時間は午前7時から午後10時。持込客の受入時間は午後5時以降。魚は午後1時までに持ち込む。
- 勝島魚店(中央2)025-543-2440 日曜休み、営業時間は午前9時30分〜午後6時30分。持込客の受入時間は午前10時〜午後4時。※調理のみ
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