「雪月花」2か月半ぶりに運行再開 首都圏などから乗客 定員減らし検温や消毒実施

新型コロナウイルスの影響で4月から運休していた新潟県上越市のえちごトキめき鉄道の観光リゾート列車「雪月花」が2020年6月20日、約2か月半ぶりに運行を再開した。感染予防のため定員を7割程度に減らし、県外を中心とした乗客らは検温や手指消毒を行った上で乗車し、豪華列車の旅を楽しんでいた。

受付でアテンダントから検温を受ける乗客
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土日祝日を中心に運行されている雪月花は、新型コロナの影響で4月5日の運行を最後に運休。同社によると、この間、定期便とチャーター便合わせ約40本が運休した。東京を含む首都圏の1都3県と北海道との移動制限が6月19日に緩和されたことから、運行を再開した。

運行再開の第1便となった上越妙高駅午前10時19分発の「午前便」には、東京や神奈川、埼玉、高知などの県外客12人を含む21人が乗車。受付では、フェイスシールドを付けたアテンダントが非接触型体温計で検温し、一人一人に体調についての聞き取り行った。

乗車前に手指の消毒も実施
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北陸新幹線から乗り継いだ群馬県高崎市の会社員、寺井謙悟さん(28)は、テレビ番組で雪月花が観光リゾート列車のランキング1位になったのを見て予約したという。「6月なら乗車できるかもと思って予約したら、再開の最初の便だった。フレンチの料理が楽しみ」と話し、雪月花に乗り込んだ。

感染予防対策として、乗務員はマスクを着用するほか、乗務員室の窓や車両と車両の間のドアを開放して換気を徹底。客室内の消毒もこまめに実施する。

先頭車両には妖怪アマビエのイラストと「疫病退散」を掲示
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石黒孝良営業部長は「お客様の笑顔がうれしく、ご乗車いただきありがたい。地域に少しでも明るい話題になれば」と話した。運休期間中、アテンダントは“おもてなしサービス”の再訓練を行い、再開に備えたという。予約も順調に寄せられており、7月以降は残りわずかとなっている便もある。

同社によると、雪月花は7月13日から9月18日までの約2か月間、保守点検のために検査運休する。代替として、ワインやビール、地酒などを楽しんだり、普段見られない鉄道施設を見学したりするイベント列車20本の運行を予定している。