謙信公祭の第100回を記念し、「上越市ゆかりの刀剣展」が新潟県上越市本町5のあすとぴあ高田5階ミュゼ雪小町で開かれている。南北朝時代から明治時代までに市内で制作された刀や脇差など22振りが一堂に会する。2025年8月24日まで。
市内の刀剣愛好家7人でつくる久比岐愛刀会と、謙信公祭協賛会が主催する。愛刀会は、刀を持ち主から譲り受けたりオークションで購入したりして収集し、郷土の刀の保存に取り組んでいる。
会員が所有する刀剣を集めた展示会は、2014年の高田開府400年に合わせて実施して以来2度目。上杉謙信や歴代の高田藩主に仕えた刀工ら14人の刀や短刀、脇差、なぎなた、やりが並ぶ。展示には刀工の紹介文も添えられており、高田城下で刃物鍛冶町と呼ばれた同市北本町1で、江戸時代初期から明治時代まで続いた刀工家の初代兼廣の脇差や、最後の15代兼廣の刀など、刀工の関係性を踏まえて鑑賞することもできる。愛刀会代表の高島忠雄さん(75)は「歴史と刃文を見てもらえたら」と語る。
このほか、高田藩工の樫野直信によるブドウとリスの図柄が施された金具の鍔(つば)や、兼廣家で刀の焼き入れの際に使われていた刀身を冷やすための水槽なども展示している。
初日の19日、東京都から訪れた看護師の女性(46)は、市立歴史博物館で展示中の刀「山鳥毛」を見た後に訪れたといい、「地元の刀が集う展示はなかなかないのですごく興味深い。集めるのは大変だったと思う」と感心し、刀に見入っていた。
高島さんは「上越は城下町でありながら刀文化が少なく、関心が薄いが、刀鍛冶がいたことを知ってもらえたら。郷土の何百年も生きてきた刀を大事にして、次の世代につないでいきたい」と話していた。
入場無料。午前10時〜午後6時。最終日の24日は午後4時まで。