パリ五輪唯一の新競技として注目を集めたブレイキンのバトルイベントが2024年8月11日、新潟県妙高市の道の駅あらいで行われた。この日の未明に五輪の男子決勝が行われたこともあり、大勢の観客が見守る中、県内外から集まったダンサーが次々にダイナミックな技を繰り出し、会場を沸かせた。
アメリカで生まれたストリートダンスのブレイキン。DJが選曲する音楽に合わせて即興でダンスを披露し、動きの独創性や音楽性、アクロバティックな技の精度などを競い合う。競技種目に初めて採用されたパリ五輪では、女子の湯浅亜実選手が金メダルを獲得するなど日本人選手が活躍し、話題を呼んだ。
バトルイベントは、道の駅あらいで行われた夏フェス内の企画として、上越市出身のブレイクダンサー、小林門前さん(37)が主催した。県内のみならず長野や石川、静岡、宮城などから15歳以下の個人戦に28人、3人1組のチーム戦に20組がエントリー。小学生から30代までが出場した。
出場者は、審査員を務める国内トップダンサー3人が並ぶ特設ステージ上でバトルを行った。曲にのりながら対戦相手の間近に迫ってステップを見せつけ挑発し、床に背中や肩をつけて体を回すウィンドミルや、逆立ちなどの状態で静止するフリーズなどを披露。個性ある動きや技が決まる度に観客が歓声と共に手を上げ沸き立った。
上越市出身、富山大学4年の男子学生(21)は、大学のダンス部で知り合った仲間と出場した。「地元なので安心して踊れて楽しかった。上越地域ではダンスイベントは珍しいので、もっとダンスが広まってほしい」と話した。
バトルを見ていた糸魚川市立糸魚川小学校1年の女子児童(6)は「(出場者の)顔の表現がかっこよかった」、母親(33)は「こんな動きができるなんて人間ってすごい。間近で見られて楽しかった」と語った。
主催者の小林さんは「五輪効果もあり予想を超える出場者数で、ブレイキンの盛り上がりを感じた。今後も上越でブレイキンのイベントをやっていけたら」と話していた。