〈冬季五輪企画4〉ジャンプのテレマーク着地は明治時代の「決めポーズ」

冬季五輪の花形といえばジャンプ競技。飛んだ距離の「飛距離点」と、踏み切りから着地までの美しさによる「飛型点」の合計で争われる。中でも重要なのは着地の際に「テレマーク」ができているかどうかである。

近代ジャンプ競技のテレマーク姿勢(イメージ)

テレマークは19世紀に誕生

テレマークは着地の際、「片足を前に出す」「両膝を曲げる」という転倒を防ぐ技術で、近代スキー発祥の地であるノルウェーのテレマルク地方で誕生した。19世紀のことである。

テレマークは写真の「決めポーズ」

明治末期、オーストリア・ハンガリー帝国の軍人レルヒ少佐によって、高田にスキー技術が伝えられ、スキーは一大ブームになった。当時発行された絵はがきには、金谷山でテレマーク姿勢をしている写真が多くあり、流行の「決めポーズ」だったようだ。

テレマーク姿勢の絵はがき

選手を守るテレマーク姿勢

テレマーク姿勢は着地の際、前後に足を開いて衝撃を分散させるとともに、両膝を曲げることで重心が低くなり、転びにくくなる。安全性の面から昨シーズンにルールが改正され、テレマークができなかった時の減点が2点から3点になった。技術やスキーなどの進化で伸びる一方の飛距離争いに歯止めをかけ、選手を守る狙いがあるという。

スキーヤーによるテレマーク姿勢(1911年・明治44年撮影)

19世紀に生まれた近代スキーの原型ともされる技術が、今もミラノ・コルティナ冬季五輪の競技ルールとして生き続けていることに驚かされる。

                                     (おわり)