430年続いたあめ製造終了 上越市土橋「大杉屋惣兵衛」 老舗和菓子店として営業継続

安土桃山時代の1592年(文禄元年)に創業し、新潟県上越市内で最も長く432年にわたって「あめ」を製造販売してきた同市土橋の大杉屋惣兵衛が2024年1月末で、あめ製造を終了した。同社HPなどによると、あめ製品工場(土橋)の老朽化や従業員の高齢化などが理由。あめの製造は終了したが、本店(本町5)、お馬出し店(本町3)、エルマール店(西本町3)の市内3店舗は引き続き和菓子店として営業を継続している。

明治、昭和初期建築の大杉屋惣兵衛のあめ製品工場(土橋)

同社は北国街道(加賀街道)沿いの土橋に初代が創業して粟(あわ)から水あめを作り、やがてもち米と麦芽から作った水あめを製造。江戸時代には街道を往き交う参勤交代の諸大名や旅人らによって「大あめや」と呼ばれていたという。明治、昭和初期に建築されたあめ製品工場で伝統の製法で作られた水あめの「粟飴(あわあめ)」のほか、水あめに寒天を加えてやわらかく四角形に固めた代表銘菓「翁飴」や「笹飴」などを、和菓子とともに製造販売してきた。

今後はようかんやもなか、まんじゅう、上生菓子といった和菓子の製造販売のみを行う。

市内では大正期には多くのあめ屋や和菓子店などがもち米から作るあめを製造していたが、現在は江戸初期の1624年(寛永元年)創業の高橋孫左衛門商店(南本町3)と1885年(明治18年)創業のくさのや(中央1)、1919年(大正8年)創業の伊藤製飴所(中央1)など数軒となった。

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