岩の原葡萄園で雪室の雪入れ作業 ワイン熟成に一役

新潟県上越市北方の岩の原葡萄園は2024年2月1日、雪国ならではのワイン造りに欠かせない雪室の雪入れ作業を行った。約300トンの雪を貯蔵し、ワイン熟成庫の温度管理に利用する。

雪室に除雪機で雪を飛ばし入れる作業員

同社の創業者で「日本のワインぶどうの父」と呼ばれる川上善兵衛が、冷却設備のない明治時代に雪室を活用したワイン造りを開始。一時中断していたが、二酸化炭素による環境負荷を軽減するため2005年に雪室を再建した。

雪室は、同社の赤ワイン「ヘリテイジ」や「深雪花」の原酒を木だるに入れて熟成させている石蔵に隣接する。雪解け水を石蔵の冷房に活用し、4〜10月の室温を18度に保ち、ワインの品質管理に一役買う。

木だるに入ったワインが熟成されている石蔵内

雪入れ作業は、今年の暖冬少雪傾向を考慮して昨年より2週間ほど早く実施した。同社周辺の積雪は1日時点で28cmと少ないため、トラックで牧区からも雪を調達。除雪車で雪室前に運んだ雪を、除雪機で高さ最大約10mの雪室に飛ばし入れていった。

除雪車で雪室前に雪を運んだ

同社製造部でブドウ栽培担当の西山行男さん(60)は「無事雪入れができてほっとしている」と安堵(あんど)の表情。猛暑と少雨だった昨年は「ブドウにとっては恵まれた天候で、量も品質もいい」と話し、熟成を経て来年秋に出荷されるという。

岩の原葡萄園の「深雪花 赤」

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