今年の高田城址公園のハスは13万9000本 昨年より2割減

新潟県上越市の高田城址公園で、「東洋一」と称されるハスの花の数を調べている市民団体は2023年10月29日、今年の調査結果を発表した。例年に比べ見頃が遅れるなど、生育不良が心配されていた今年のハスの花数は、昨年より2割ほど少ない約13万9000本だった。

ハスが咲く高田城址公園南堀(2023年7月16日撮影)

調査しているのはハスの花数を明らかにし、全国に広くPRしようと昨年発足した「高田城址公園の蓮の花数を調べる会」(吉越正勝代表)の会員14人。南、西、北堀を10区画に分け、花の咲き始めから開花が確認されなくなるまでの期間、カウンターを使って目視で花を数えている。

今年は6月20日から9月23日の間に18回実施し、調査日以外は調査結果を基に日別の花数を推定した。ハスの平均開花日数が4日間であることから日別の合計を4で割り、算出した花数は13万9216本だった。昨年は6月20日から9月14日までに17回行い、16万4884本だった。

目視で花の数を数える吉越代表(同)

咲き始めは昨年と同じ6月20日だったが、その後の開花の進みは遅く、昨年の開花数のピークは最も早かった南堀で7月10日、全体で7月31日だったのに対し、今年は南、北堀と全体が同時で8月6日だった。西堀は昨年より41日遅く8月27日だった。

花数をまとめた2022年(左)と2023年のグラフ(高田城址公園の蓮の花数を調べる会提供)

同会が気象庁の観測データを調べたところ、過去5年に比べ今年は開花前の5月から7月中旬までの降水量が多く、特に6月については昨年の5倍近く多かったことが分かった。一方で7月21日の梅雨明け以降はほとんど雨が降らず、8月に入ると連日猛暑日が続くなど気温が上がり、同時期にハスの開花も進んだことがグラフからも見てとれる。

同会では開花の進みが遅れた要因の一つとして、7月中旬までは雨で堀の水が増え、水温が上がらなかったことが生育に影響を与えたと推測している。今後水温や咲き始め以前の気候との関係など多方面から調べていくという。

調査結果を報告する会員

会員らとともに調査結果を報告した吉越代表(76)は、全体の花数が昨年より減ったことについて「7月中旬までどの堀も生育が悪かったことが原因では」と話し、「原因が分かるまで継続的に調査して積み重ね、説得力のあるデータにしたい。来年は家族連れからも活動に参加してもらえるようなイベントも開催できれば」と意気込んでいる。

同会では随時会員を募集している。問い合わせは吉越代表090-5814-5284