4年ぶりの一般開放に迫力の「16式機動戦闘車」登場 高田駐屯地「創設73周年記念行事」

陸上自衛隊高田駐屯地(新潟県上越市南城町3)の「創設73周年記念行事」が2023年5月28日、4年ぶりに同駐屯地を一般開放して開かれた。記念式典や模擬戦闘訓練の公開をはじめ、車両や装備品の展示、自衛隊グッズの販売コーナーなどが設けられ、多くの人たちで朝からにぎわった。

同駐屯地は1950年11月に陸上自衛隊の前身、警察予備隊発足とともに、同地に第4連隊を編成して以来、部隊の移駐、改編、廃止を経て今年で創設73周年を迎えた。周年記念行事の一般開放はコロナ禍での中止、規模の縮小などもあり、今年4年ぶりの実施となった。午前9時の開門を前に、入場を待つ市民らで長蛇の列ができるなどし、約5000人(同駐屯地発表)が来場した。

多くの人たちでにぎわう販売ブース

記念式典では、執行者で駐屯地司令の萩森泰聡1等陸佐が「帝国陸軍第十三師団の歴史と伝統あるこの地に昭和25年、開設され、今日まで発展を続け、今年で73周年を迎えることができた。いついかなる事態が生起しようとも、これに即応し、任務を着実に遂行し、地域の皆様から信頼いただけるよう、精強な部隊の育成に向け、地道な努力を実践していく所存」とあいさつした。来賓の高鳥修一衆議院議員や中川幹太上越市長らも祝辞を述べた。

式辞を述べる萩森1等陸佐

観閲行進では観閲部隊291人のほか、第12偵察戦闘大隊の「16式機動戦闘車」(通称MCV)の2両を含む車両50両が登場。MCVは105mm砲を搭載した陸上自衛隊の最新鋭装輪装甲車で、今回の一般開放の目玉の一つ。迫力ある姿が登場すると、来場者の視線を集めていた。

観閲行進で敬礼する隊員たち

16式機動戦闘車も登場

模擬戦闘訓練公開は隊員38人参加した。来場者はMCVをはじめ、軽装甲機動車、オートバイ、装輪装甲車、指揮通信車などの車両が土ぼこりを舞い上げて走行する様子を真剣に見入った。また、空砲の爆音が鳴り響くと、会場からは驚きの声が上がっていた。

模擬戦闘訓練公開では空砲が鳴り響いた

土ぼこりを舞い上げて走行するMCV

このほか、第12音楽隊16人、同駐屯地音楽クラブ10人の計26人の音楽演奏が式典に花を添えたほか、午後は自衛隊車両の試乗や装備品の展示も行われた。

第12音楽隊と高田駐屯地音楽クラブによる演奏

上越市立有田小6年の男子児童は「戦車を身近に見ることができてうれしかった。空砲の音がすごくて、とても印象に残った」と話した。

記念式典の開始前、4月に沖縄県・宮古島周辺海域のヘリコプター事故で亡くなった元高田駐屯地司令の庭田徹1等陸佐を偲び、1分間の黙祷も行われた。

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