沖縄の陸自ヘリ事故で死亡した庭田徹1佐は元高田駐屯地司令 大雪災害で地元支援

陸上自衛隊の第8師団長ら隊員10人が乗った多用途ヘリコプターが沖縄県・宮古島周辺で行方不明になった事故で、陸自は2023年4月20日、死亡が確認された5人のうち2人の身元を公表した。このうちの1人は、2021年3月までの2年間、新潟県上越市の高田駐屯地司令を務めた庭田徹1等陸佐(48)だった。庭田1佐は2021年に同市が記録的な大雪に見舞われた際には、災害派遣部隊による福祉施設などの除雪作業を指揮していた。

庭田1佐
庭田徹1佐(2020年1月22日、新潟県上越市の高田駐屯地で)

青森県出身の庭田1佐は、東ティモールやイラクへの海外派遣や、統合幕僚監部防衛計画部防衛課付兼防衛政策局防衛政策課を経て、2019年3月に上越市の第5施設群長兼高田駐屯地司令に就任した。2021年3月に陸上幕僚監部運用支援・訓練部訓練課長となり、今年3月30日付で熊本市にある第8師団司令部の幕僚長に就任したばかりだった。幕僚長は、師団長、副師団長に次ぐ師団の幹部で、事故機のヘリに同乗し行方不明となっている坂本雄一師団長を補佐する幕僚を取りまとめていた。

第5施設群長兼高田駐屯地司令だった2021年1月、地元上越市は記録的な大雪となり、障害者施設や倒壊のおそれのある高齢者世帯の除排雪のため、県は自衛隊に災害派遣を要請。庭田1佐が指揮する第5施設群が屋根の雪下ろしなどに従事した。

事故を受け、庭田1佐の後任として第5施設群長兼高田駐屯地司令を務めていた比嘉隼人1佐は、4月21日付で行方不明となっている宮古警備隊の伊與田雅一隊長の後任に就いた。

新たな第5施設群長兼高田駐屯地司令には、東部方面総監部人事部人事課長だった萩森泰聡1佐が同日付で就任した。

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