希少な深海魚「テングノタチ」19日から氷漬けで展示 上越市のうみがたり

新潟県上越市五智2の上越市立水族博物館「うみがたり」は2020年12月19日から、とても珍しいとされる深海魚「テングノタチ」の氷漬け標本を初めて展示する。展示場所は館内1階催事ホール。

氷漬け作業途中のテングノタチ(うみがたり提供)
20201218テングノタチ3

テングノタチはアカマンボウ目アカナマダ科の深海魚で、銀灰色をした細い体にテングのような頭上部から伸びる赤色の背びれを持っているのが特徴。同館担当者によると珍しい深海魚として知名度の高い「リュウグウノツカイ」よりも見る機会が少ない希少種で、生態などはまだわかっていないという。

展示する個体は長さ1m23cm。12月6日午前、糸魚川市能生の海岸に打ち上がったところを釣りに来ていた地元の男子高生3人が発見し、同館に連絡をしたという。

テングノタチは糸魚川市能生の海岸で高校生3人が発見(12月6日、うみがたり提供)
20201218テングノタチ1

テングノタチは表面に触れるだけ体の銀灰色部分がはがれてしまうなど、扱いに細心の注意を必要とするが、担当者は今回見つかった個体について「発見当時から奇麗な状態で残っており、崩れや傷みもなかった。この状態で見ることができるのは一生に一度あるかないか」と話す。

展示方法は個体が長持ちする「氷漬け」を採用した。ケースに個体と蒸留水を入れて凍らせた状態で展示される。担当者は「氷漬けなので若干見えにくいと思うが、とても珍しいテングノタチをこの機会にぜひ見てもらいたい」と話している。

会場で展示される状態
20201218テングノタチ2

展示期間は個体の状態などから未定だという。展示時間は午前11時から午後5時までだが、個体の状態によって早めに終了する場合もある。

営業時間は午前10時から午後5時まで。2021年1月13、14日は館内メンテナンスのため休館。問い合わせは025-543-2449

うみがたり