“高田” 出張所が “直江津” 出張所より直江津寄りに!? 国交省高田河川国道事務所

国土交通省高田河川国道事務所の「高田出張所」が先月、新潟県上越市本城町の高田公園近くから同市藤巻の関川堤防沿いへと移転した。同じ国交省の「直江津国道維持出張所」が同市寺の国道18号沿いにあるが、今回の移転で、“高田”出張所が、“直江津”出張所より直江津寄りに位置することになった。高田河川国道事務所に事情を聞いてみた。

国交省高田河川国道事務所の2つの出張所。高田出張所の方が直江津寄りに位置する
国土交通省

それぞれの出張所の役割は?

同市藤巻の関川沿いにある「高田出張所」は一級河川の関川などの管理を行う一方、同市寺の国道18号の寺インターチェンジ沿いにある直江津出張所は国道8号と18号などの維持管理を行っている。

“直江津”出張所の歴史

出張所には、国道を建設する目的の「国道出張所」と、建設後の国道のメンテナンスなどを担う「国道維持出張所」がある。

1959年、国道8号を建設するための「直江津国道出張所」が当時の直江津市砂山町(現在の上越市中央4)に設置された。1963年には、維持管理を担う「直江津国道維持出張所」が当時の大潟町(現大潟区)に設置されている。

1981年、「直江津国道出張所」は国道18号を建設するため、旧直江津市から現在の「直江津国道維持出張所」がある上越市寺に移転し、工事の進展に伴い1985年4月に閉所した。その後1985年11月には、大潟から寺に「直江津国道維持出張所」が移転し、現在に至る。大潟から現在地に移転する際に、「直江津」の名称を継続すべきか検討されたが、「地元に名前が浸透している」として、名称は変更されなかったという。

現在の直江津国道維持出張所(上越市寺の国道18号沿い)
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“高田”出張所の歴史

一方、河川を管理する高田出張所は1970年、関川からほど近い高田公園付近(本城町)に設置され、半世紀近くずっと同じ場所にあった。施設の老朽化などにより2018年2月26日、河川の管理区域である同市中央3の関川河口部から同市長者原までの中間地点となる同市藤巻へと移転した。この結果、直江津国道維持出張所よりも、高田出張所のほうが直江津寄りとなった。高田出張所の名称は「旧施設の機能をそのまま移転した」として変更されなかった。

新しい高田出張所(上越市藤巻の関川堤防沿い)
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災害対応に適切な位置に

同事務所によると、両出張所は管理区域のどこで災害が起きたとしても、素早く現場に向かうことができる場所だという。特に今回移転した新しい高田出張所は関川沿いに設置されたことで、事務室から関川を直接監視できるようになるなど、防災面でのメリットが増えたという。

新しい高田出張所は事務室から関川を望むことができる
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2月26日には新しい高田出張所の開所式が開かれ、関係者による除幕などが行われた。