北方領土の一つである「歯舞(はぼまい)」が読めなくて、閣議後の記者会見で赤っ恥をかいた沖縄北方担当大臣がいた。だが、新潟県上越地域に住んでいて、読めない地名があるのも、恥ずかしいことではないだろうか。
上越・妙高地域の難読地名「ベスト10」を、上越タウンジャーナルの独断で挙げてみた。
1位
「武士」(もののふ) 上越市清里区
*直接関係はないが、ももいろクローバーZのファンのことを「モノノフ(武士)」と呼ぶ。
2位
「美守」(ひだのもり) 妙高市(旧新井市)
「美守」(ひだもり) 上越市三和区(旧村名)
*平安時代中期に作られた辞書「和名抄」には「越後国頸城郡夷守郷」とある。
*旧三和村は、1955年に上杉村,美守村、里五十公野村の3村が合体して発足した。現在、上越市三和区では「美守小学校」「美守郵便局」などに呼称が残っている。
3位
「小出雲」(おいづも) 妙高市(旧新井市)
*北国街道と飯山道の分岐点。上越市中郷区に「越後見納め小出雲坂よ。ほろと泣いたを何時忘られよ」とうたわれた北国街道の小出雲坂がある。
4位
「上昆子」(かみびりこ) 上越市牧区
「下昆子」(しもびりこ) 上越市牧区
*小林存は「県内地名新考」で、「蛭子尊、すなわち夷神社の氏子であろう」としている。
5位
「虫生岩戸」(むしゅういわと) 上越市
*江戸時代中頃までは、虫生村と岩戸村に分かれていた。
6位
「葎生」(もぐろ) 妙高市(旧妙高村)
*縄文時代の葎生遺跡がある
7位
「小局」(こつぼね) 妙高市(旧新井市)
*昔、後堀河天皇の中宮が皇子をもうけ、事情あって都落ちし、ここに庵を建てて隠れ住んだと伝えられる。その庵を「御局」と呼んでいたが、都への遠慮から「小局」と呼ぶようになったとされる。
8位
「上百々」(かみどうどう) 妙高市(旧新井市)
「下百々」(しもどうどう) 上越市
*「上百々」「下百々」とも、近代まで「百々村」だった。紛らわしいので、明治時代に上と下を付けたもの。柳田国男の「地名の研究」によると、ドドウやドドメキは「水の音を形容した地名」で、全国に点在しているという。
9位
「東雲町」(しののめちょう) 妙高市(旧新井市)
「東雲町」(とううんちょう) 上越市
*上越市高田地区の栄町(さかえまち)と、直江津地区の栄町(さかえちょう)、妙高市の栄町(さかえちょう)も分かりにくい。
10位
「小蒲生田」(こかもだ) 上越市浦川原区
*室町時代に大蒲生田村から分村したと伝えられる