小学生の登下校を見守るボランティアや登校中の小学生が被害に遭う交通事故が、今月に入り新潟県上越市内で相次いでいる。同市は2016年2月18日、「交通安全緊急対策会議」を市役所で開き、防止策を協議した。緊急対策会議の開催は交通死亡事故が多発した2010年以来の6年ぶり。
同市によると、2月に入り登下校を見守るボランティアと登校中の小学生が重傷を負った交通事故が2件起きており、児童1人とボランティア2人が重傷を負っている。2日午前7時30分頃、頸城区上吉地内の市立南川小付近で車両が出会い頭に衝突し、付近で活動していた見守りボランティアの男性(77)が巻き込まれて重傷を負ったほか、16日午前7時45分頃、大潟区渋柿浜地内の県道で登校中の小学2年男児と見守りボランティアの女性(37)が車にはねられてそれぞれ重傷を負った。
このほか16日までに死亡事故を含む人身事故と高齢者が関わった交通事故が5件起きている。
対策会議では、警察や教育委員会など、関係機関から担当者が出席し、今後の事故防止対策に向けた取り組みなどについて話し合った=写真=。
会の冒頭、同市の宮崎悦夫防災危機管理部長は被害に遭った見守りボランティアの1人について「回復が困難と思われる甚大な深手を負われた」と述べた上で、「子供や見守りボランティアの事故を重く受け止め、事故が再びおこらないよう協議したい」とあいさつ。対策として、警察は事故が起きた南川小の児童やボランティアに直接指導するとしたほか、市は市立小学校52校に危険か所などについて調査を依頼する考えを明らかにした。
宮崎防災危機管理部長は「ドライバーにルールを守ることの周知をしていき、注意喚起に力点を置いていきたい」と締めくくった。