37年の歴史に幕 上越市立水族博物館で休館式典

「またね」のための「さようなら」——。新潟県上越市西本町4の市立水族博物館の現施設の営業が2017年5月14日で終了し、37年間の歴史に幕を閉じた。14日午後には施設を懐かしむ市民や子供を連れた家族らが多数見守る中、マリンスタジアムで休館式典が開かれた。現施設は今後取り壊され、現在建設中の新施設は来春オープンする予定。

式典後に記念撮影する参加者
水族館閉館④

現施設は1980年7月に開館した。2015年4月からは「横浜八景島」(横浜市・布留川信行社長)が指定管理者として運営。 約400種1万点の水の生きものの飼育展示が行われたほか、飼育数日本一を誇るマゼランペンギンや、夏季のイルカショーが人気で、多くの市民をはじめ、市外の人たちからも愛されてきた。

現施設での営業が最後となった週末は通常の4倍以上の来館者数を記録。最終日は数か所ある駐車場が満車になり、開館直後から多くの市民らで館内はあふれ返っていた。

休館式典では布留川社長が「今日の式典はさらに成長するために踏み出す第一歩。大きな未来に向かって最大限の努力を誓う」とあいさつ。村山秀幸上越市長は「たくさんの思い、歴史を培った施設。秋には3階建ての大きな姿を見ることができる。新しい水族館に期待して」と話した。

近隣の市立中央保育園、同古城保育園の園児が水族館にちなんだ歌を披露し、「魚さんありがとう。また会いましょう」と声をそろえた。布留川社長と村山市長に寄せ書きも贈った。

式典を見守る市民ら
水族館閉館②

館内を巡りながらこれまでの思い出に浸る市民も多く、市内に住む女性(41)は「私が保育園の時、バスに乗って遊びに来たことを思い出します。子供たちも大好きななじみ深い水族館でした。今まで本当にありがとうという気持ち」と感慨深そうに話していた。

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