新潟県上越市板倉区の板倉サービス店会(山本広明会長)が発行している「黄金(こがね)スタンプ」が、2019年3月31日で発行を終了することになった。台紙に貼って集める懐かしい形態のスタンプは半世紀にわたり使われてきたが、加盟店の減少で半世紀続いてきた歴史に幕を下ろす。
購入額に応じて小売店が客に配布する切手状のスタンプは "トレーディングスタンプ" という。グリーンスタンプやブルーチップスタンプなど全国規模で展開していた「ナショナルスタンプ」と、市町村の商工会や商店街などが中心になって発行していた「ローカルスタンプ」に大別される。
上越地方には、かつて市町村ごとに20種類以上のローカルスタンプがあった。昭和40年前後に相次いで発足し、昭和の終わり頃まで全盛を極めた。平成に入って、都市部の商店街ではポイントカードへ移行したが、小規模な商店街では、加盟店の減少で発行を取りやめるスタンプが相次いだ。旧上越市では稲田商店街が発行していた「稲田サービス店会シール」が2015年8月末で発行を停止したのが最後となった。
板倉サービス店会では、加盟店がピークの約60店から12店に減少し、今年4月に開いた臨時総会で2年以内の発行停止を決めていた。
黄金スタンプの発行は1967年(昭和42年)にさかのぼり、半世紀に及ぶ歴史を持つ。買い物200円ごとに1枚もらえるスタンプを集め、160枚を台紙に貼って持参すると加盟店で550円分の商品券として使える仕組み。季節ごとに抽選で景品がもらえるイベントも実施していた。
事務局の板倉商工会では「現在は加盟店の店頭で告知しており、来年3月にちらしを入れて周知したい」と話している。集めたスタンプは2019年6月30日まで買い物に使えるが、7月1日以降は無効になる。
上越・妙高地域では上越市名立区の「名立町サービス券」、柿崎区の「柿崎スタンプ会」が発行を続けている。