大寒までの降雪わずか6cm 過去60年で最も “少雪” の上越市高田

1年で最も寒さが厳しいとされる「大寒」を過ぎても、新潟県上越地方は記録的な暖冬少雪となっている。気象庁の観測データによると、昨年12月1日から2020年1月20日までの上越市高田の降雪量はわずか6cm。1960年(昭和35年)12月以降の過去60年間の同期間の降雪量=グラフ=と比較しても、今冬の高田の異常な少雪が分かる。

過去60年間の上越市高田の12月1日〜1月20日までの降雪量
グラフtj

過去60年間の12月1日から1月20日までの高田の累積降雪量によると、最も多いのは1984~86年のいわゆる「3年豪雪」の2年目の1985年(昭和60年)。累積降雪量は今冬の約147倍にあたる884cmにのぼる。反対に最も少なかったのは1989年(平成元年)の54cm。今冬の6cmはその9分の1になり、驚異的な少なさだ。

高田で日中の最高気温が9.6度と3月上旬並みとなった2020年1月22日、同市大町3の二・七の朝市には約20店の店が並び、例年よりも多くの買い物客が訪れていた。市内宇津尾産のフキノトウや原木シイタケを店先に並べていた80歳代の出店者の男性は「普段は冬は休んでいるが、雪がないので店を出している。フキノトウはいつもなら3月下旬なんだけど。20年やっているけど、こんなことは初めて」と話していた。

フキノトウが並ぶ高田の朝市。暖かさで原木シイタケも生えてくるという(2020年1月22日撮影)
朝市のフキノトウ

暖冬少雪の影響は各方面に出ている。毎年、大寒に合わせて行われている妙高市特産の「かんずり」の主原料となるトウガラシの雪さらし作業は、雪がなく平地でできず、雪を求めて標高950mの同市両善寺のスキー場「ロッテアライリゾート」で行われた。

2月1、2日の両日に恒例のレルヒ祭が行われる金谷山スキー場も、1月22日現在の積雪は“0”ゼロ。主催の実行委員会は1月22日、たいまつ滑降や自衛隊高田駐屯地隊員の雪中行軍、本町商店街の雪灯篭など、雪のイベントの中止を決めた。

新潟地方気象台によると、今後1週間も寒気の流れ込みはなく、平年より気温の高い日が続くと予想されている。

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