妙高市の「あらいカード」来年3月で終了 キャッシュレス決済への移行を視野に

新潟県妙高市の新井地区商店街が発行しているポイントカード「あらいカード」が2019年3月末でポイントの発行を終了する。事務局の新井商工会議所では、政府が進めるキャッシュレス決済への移行を視野に、経過的措置として高齢者に対応したプリペイドカードなどの導入を含めて検討を進めているとしている。

ポイントカード「あらいカード」(左)と、ポイント発行機
あらいカードと発行機

ポイントを貯めると金券として利用できる「あらいカード」は、シール形式の「ダイヤモンドスタンプ」を精算し1998年に設立。顧客の囲い込みなどに一定の成果を上げたが、中心市街地の衰退や少子高齢化の影響で、最盛期に約90店あった加盟店は50店に減少した。

一方、スキー場に外国人観光客が急増するなど、キャッシュレス決済への対応が迫られている。クレジットカード決済のほか、最近ではスマートフォンを使ったQRコード決済も急速に普及しており、地域としての対応は急務だ。

事務局の新井商工会議所中小企業相談所の鈴木陽一所長は「(ポイントの発行で)地域の消費を囲い込む時代は終わった。インバウンド消費などの外需を取り入れる仕組みを整備したい。すぐにクレジットカードやQRコード決済などに移行できればいいが、一方で高齢者を切り捨てることになる。移行期間としてプリペイド方式の地域通貨など、カード形式を残すかどうかを含めて検討を進めている」と話している。

あらいカードは2019年3月31日でポイントの付与を終了する。ポイントは9月末まで使用できる。通常350ポイントがたまると金券500円分として使用できるが、4月1日以降は端数も使うことができる。