新潟県上越市と妙高市では2016年5月15日から16日にかけて、住宅地周辺での子グマの目撃情報が相次いだ。15日には上越市向橋にある県道上越新井線(通称山麓線)の向橋交差点付近で、16日には同市中通町にある中通町児童遊園地付近と、上信越道上越高田インターチェンジ料金所付近で目撃された。その後は妙高市内での目撃も相次いだ。市や警察が近辺をパトロールし、付近の小学校では集団下校の措置が取られた。
向橋交差点付近では15日午後7時15分頃、車を運転中の男性が山麓線を西から東に横切る子グマと思われる動物1頭を目撃。16日午前2時50分頃、東に約800mの場所にある中通町児童遊園地付近でも車を運転中の男性が道路上にいた体長50cmほどの子グマと思われる動物1頭を目撃。さらに同日午前9時50分頃には、上信越道上越高田インターチェンジ料金所付近で車を運転中の男性が高速道路の側道上にいた子グマ1頭を目撃した。また、それ以外でも同日午前2時以降、同市中田原や上中田などでも複数回クマらしき動物が目撃されている。
妙高市では16日午前4時40分頃、柳井田地内の国道18号付近で子グマらしき動物が目撃されている。その後午前5時頃には妙高市十日市(上十日市集落内)地内でも目撃された。
上越市環境保全課の村山斉参事は「山裾まで奥山と同じように山林が続くところではクマが移動の際、平場へ迷い出てきてしまうようだ」と述べ、「昨年、ドングリや木の実が豊作であったため、繁殖が進んで個体数が増えたのではないか」という専門家の見解を示した。平場にもクマの目撃情報が出ていることを踏まえ「安全・安心メールによる情報が最も早いので、ぜひ登録してもらいたい。早めに知ることで心構えをしてもらい、自衛策を考えてもらいたい」と話した。
学区にクマの目撃情報があった上越市立黒田小学校(児童192人)では同日、集団下校を実施した。クマ鈴をつけた児童たちは授業を終えると玄関前に集合し、放課後児童クラブに行く児童を除いた集団登校のグループでまとまり下校した。教諭ら14人は要所となるポイントで下校を見守るなどした。