宮越馨元上越市長が回顧録「未完」を発刊、書店でも販売

昨秋の叙勲で旭日双光章を受章した元上越市長の宮越馨氏(74)が2016年4月、回顧録「未完~地方からの国づくり」を出版した。このほど市内で開かれた「受章を祝う会」や「感謝の集い」に出席した約550人に配られたが、残部を上越市の春陽館書店、柿村書店、妙高市の文教堂書店などで販売している。頒布価格は1冊1000円。

宮越氏の著書「未完」
20160415宮越馨著書S

本はA5判、480ページ、400字詰め原稿用紙に換算して約1100枚に及ぶ労作だ。自身の生い立ちから、11回に及んだ選挙の舞台裏、旧大蔵省時代や上越市長時代の実績、北陸新幹線の開業までのドラマチックな奮闘ぶりなどがまとめられている。しかし、単なる回顧録ではなく、「未完」で終わろうとしている自らの仕事を、一抹の悔しさとともに振り返りながら、未来への提言を強く打ち出していることに大きな特徴がある。

また、宮越氏が、税務事務官として働きながら中央大の夜間部で経営を学び、旧大蔵省主計局で約20年間にわたり国家予算の編成や査定などに携わるという若き日の働きぶり、勉強ぶりを知ることで、市長時代のアイデアの源泉、人脈形成などを知ることができる。「政策の立案から実行へのノウハウ」の事例としても役立ちそうだ。

宮越氏は「誰の手も借りず寝ずに書き上げた。ここに答えがあるのでしっかり読んでほしい」と述べている。