明治時代に建てられたレトロモダンな建物内で、地元食材を使ったイタリア料理のフルコースとワインを楽しむ「1日限りのレストラン」が2018年4月6日、新潟県上越市大町2の旧師団長官舎で開かれた。
上越の名所や食材の魅力を県外に発信したいと、上越市下門前のラ・ペントラッチャなど6店のレストランを展開している「クオルス」(高波利幸社長)が主催した。「1日限りのレストラン」は、昨年11月に続き2回目。
食材や酒の生産者、取引先、マスコミなど40人が参加した。会場には厨房がないため、キッチンカー2台と、食器やワイングラスなどを持ち込み、スタッフ12人で調理や配膳、接客を行った。
洋館造りのモダンな建物は、庭の桜とともにライトアップし、幽玄な雰囲気を醸し出した。
この日、提供された1人1万5000円のフルコースは、上越を代表する春の食材が満載。上越市妙油の「花の米」のリゾット専用米、大潟区の大潟ナショナルカントリーに委託栽培するイタリアントマト、大潟区の「苺の花ことば」の越後姫、糸魚川市能生の魚正が厳選した桜鯛、長野市信州新町の峯村元造さんが飼育しているサフォーク子羊、君の井酒造(妙高市)が名立産の梅を使い日本酒で仕込んだ梅酒などを使っている。
メニューは次の通り。
- おつまみ/フキノトウとイタリアントマトペースト、赤エビのタルタル フキノトウのコンフィ添え
- 前菜/桜鯛のエスカベッシュと桜鯛のマンテカート
- リゾット/喜多方産ホワイトアスパラガスとカルナローリ種のリゾット
- パスタ/ビーツを練り込んだサフォーク子羊のアニョロッティ
- セカンド・ピアット/北海道産子牛肉のロース、豚ホホ肉のハム巻き トリュフ添え
- ドルチェ/春のリースカスタードクリーム仕立て 越後姫、リングア・ディ・ガット添え
- コーヒー、桜の花びらハーブティー
- よもぎ入りフォカッチャ
料理メニューは、銀座店の高橋誠シェフが考案、ワインのペアリングは川崎店のシニアソムリエ、池田成史さんが担当した。高波社長は「地元の食材を使って、まだやっていない料理を桜をテーマに紹介した。旧師団長官舎の新たな活用も提案したい」と話していた。
参加者の女性は「フキノトウの苦さと赤エビの甘味の対比が大人の味。トマトペーストも甘味と酸味のバランスが良かった。すべての料理の色が春らしく、建物も趣があって素晴らしかった」と話していた。
次回は上越市本町3の「高田まちかど交流館」(旧第四銀行高田支店)で開かれる。料金は1人1万5000円(税込み)。問い合わせは、ラ・ペントラッチャ025-545-3991。