上越市藤野新田に高機能の消防本部新設 事業費は概算で60億円

上越地域消防事務組合は、上越北消防署を統合した高機能の消防本部を上越市藤野新田に新設する。上越地域の消防防災の中核となる施設で、2020年4月の運用開始を目指して、本年度から地盤の調査や実施設計に着手する。移転を含む全体の事業費は概算で55〜60億円としている。

現在の消防本部(北城町1)は上越南署に併設して1981年に整備された。同組合では最大規模の施設だが、大規模災害や特殊災害に対応する車両や部隊が増え、収容能力が限界に達しているという。また上越北署(春日新田)は現在の施設の中では最も古く、1976年の建設で老朽化が進んでいる。こうしたことを背景に、専門機関に調査を依頼して消防力の適正配置などを検討した結果、藤野新田に北署を統合した消防本部を新設する方針を決めた。

建設予定地については、高速道路の上越インターチェンジ周辺を中心に3か所を検討した結果、市下水道センター北側で、市民プール西側の市所有地約2万2300平方mを選定した。検討した予定地はいずれも国交省が今年5月に公表した洪水浸水想定区域に含まれていたが、指令センターなど重要な機能や機器を高層階に配置したり、浸水時の車両避難場所を確保することで対応するとしている。

建設予定地
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消防本部は、災害対策の拠点となる高機能な指令センターを備えた免震構造の施設で、大規模災害時には緊急消防応援隊などを受け入れ活動拠点となる。ヘリポートを整備するほか、消防車両や敷材の待機場所としての十分なスペースを設ける。

敷地のゾーニングイメージ図(整備基本計画から)
消防本部敷地ゾーニングイメージ図

建物は鉄筋コンクリート造の4階建てで延べ床面積約6000平方mを想定している。出動時の経路を確保するため、関川堤防沿いに下水道センター敷地を南下して、謙信公大橋東詰の県道の丁字路交差点に接続する通路を作る計画だ。

赤い破線が出動経路(整備基本計画から)
消防本部建設予定地図

基本計画によると、本年度内に基本設計を行い、2017年度に実施設計を行い本体工事に着手し、2020年4月の運用開始を目指している。

事業費は移転などを含む全体で55〜60億円で、このうち本体工事は35億円としている。