新潟県上越市中田原の米菓製造業「株式会社みながわ製菓」(皆川要壱社長・資本金9500万円)は2016年8月31日、事業を停止し、従業員(パート含む)約160人を解雇した。同社によると、負債額は14億円内外。子会社の米菓直売店「囲炉裏庵」も同時に閉店した。
「とうがらしの種」「代々焼」「新潟おかき」で知られる上越地方唯一の米菓総合メーカーで、1949年(昭和24年)創業、1954年(昭和29年)に法人改組した。
初代社長の皆川進氏が、兄と立ち上げた皆川製菓所が前身。終戦後に製菓業を再開し、あられやおかきを取り入れた。昭和41年には新工場を建設し、米菓の総合メーカーとして発展を遂げた。これまで、「いろり焼」「いろり火あられ」「天と地」「かた焼せんべい」など多くのヒット作があり、1986年に発売した「とうがらしの種」は全国に多くのファンがいる。
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同社が9月1日付で取引先に送付した文書では、倒産に至った理由について「原料・資材価格の高騰による採算の悪化、競争激化による売上の減少は企業努力による経費削減だけでは吸収できず、資金繰りも限界に達しました」と述べている。
皆川社長は上越タウンジャーナルの取材に答え、「再生の道を探るためあらゆる手を尽くしてきた。昭和54年9月の工場火災で、3億円ほどの被害があり、資金繰りが一気に悪化した。他社が伸びているときだけに痛手が大きく、その後も影響を引きずった」と話している。