新潟県上越市寺町3の日蓮宗妙国寺(中嶋教高住職)の中嶋教観さん(32)が、100日間に及ぶ大荒行を終え2016年2月21日、帰還を伝える奉告式に臨んだ。境内では身を清める水行式が行われ、下帯姿の教観さんらが冷水を頭からかぶり、檀信徒らを前に精かんに変貌した姿を披露した。
約300年の歴史がある日蓮宗の大荒行は、毎年11月1日から2月10日まで厳寒の100日間、正中山法華経寺(千葉県市川市)の日蓮宗大荒行堂で行われる。「世界三大荒行」の一つと言われ、あまりの厳しさに体調を崩す人もおり、過去には死者も出た。修行僧は白粥と汁物だけの食事、2時間半の睡眠で、1日7回の水行、読経、写経などに明け暮れる。今回は全国から138人が挑み、このうち134人が成満を果たせたという。
水行は午前10時、みぞれ混じりの冷たい雨が降る中で行われた。教観さんと修行を共にした北陸地区の僧6人も加わった。下帯一枚になった7人は、大声で読経しながら、水場から手おけで水をくみ、何度も頭から水をかぶった。
身を清めた後に本堂で行われた奉告式では、7人で読経と祈とうを行い、教観さんが本尊へ帰還を伝えた。
荒行で体重が10kgも減ったという教観さんは、2009年にも100日の大荒行を成満している。「初行の時は右も左も分からなかった。2回目の今回は初行僧を指導する立場になり、これまで自分が多くの人に支えられてきたことを実感した。これから恩返しをしたい」と話していた。