新潟県上越市本城町の市立高田図書館が、明治・大正期に発行されていた地元新聞の記事をデジタル化し、2018年11月4日から閲覧可能となる。検索機能はないが、パソコンの画面で110年前の1908年(明治41年)からの地元紙2紙の記事が閲覧でき、当時の視点で書かれた新聞記事を通して上越地域の歴史を伺い知ることができる。
同館では郷土資料の一つとして、1908年(明治41)年以降に地元で発行されていた新聞を永年保存している。これまではマイクロフィルムでの閲覧のみだったが、このほどデジタル化し館内のデータベース用パソコンで画像が閲覧できるようにした。
閲覧できるのは、上越地方で最初の日刊新聞「高田新聞」(1883年・明治16年創刊)の1908年1月1日付からと、「高田日報」(1907年・明治40年に上越日報として創刊し、翌年改題)の1908年11月1日付からで、ともに大正初期まで。欠落しているものもある。
閲覧は無料で、2階に設置されているデータベース端末1台で可能。コピーはA4サイズで1枚10円。現在は複数年または月が1つのファイルになっており、1ページ(面)ごとにクリックしながらお目当ての日付や記事を探す。今後は、ファイルの階層分けやページのジャンプ機能などの改良を加える予定。検索機能はない。最終的には、所蔵する高田日報(創刊時の上越日報、改題前の北陸新聞含む)と高田新聞を、第二次世界大戦中の新聞統合による廃刊までデジタル化する計画だという。
当時の新聞には例えば、次のような興味を引きそうな見出しの記事が並ぶ。
- 「彗星会見記 偕行社の屋根へ出る 時間は午前三時頃」(明治43年5月17日 高田日報)… 1910年のハレー彗星
- 「高田局の電報数 電話が出来て減る」(明治年43年7月18日 高田日報)
- 「武士道地に落ちず レ中佐の談」(大正元年9月18日 高田新聞)… 乃木希典の殉死についてのレルヒ中佐の感想
郷土紙の主要な見出しは上越市公文書センターが次のページでまとめている。
http://www.city.joetsu.niigata.jp/soshiki/koubunsho/kyoudosinbun.html
高田図書館では「図書館には古い郷土資料があるので、調べ物などに便利に利用してほしい」と話している。
デジタル化にあわせ、11月4日にデータベース用パソコンの使い方を職員が解説する講習会が開かれる。時間は午前11時、午後2時、同3時、同4時。1回30分程度。
問い合わせは高田図書館025-523-2603。