東京パラリンピック開幕(2021年8月24日〜)を前に新潟県上越市で8月12日、「東京2020パラリンピック聖火フェスティバル」が始まった。同日、日本スキー発祥記念館前に市内の中学生代表が集まり、パラリンピック聖火となる採火が行われた。火は14個のランタンに分火され、市内各所で一般展示された後、市や県で一つにまとめられ、東京都へ送り出される。今月20日、東京都で開かれる「集火式」で全国各地の火が一つに集められ、大会の聖火が誕生する。
今回のパラリンピックでは競技開催のない本県を含む43道府県で「採火」と採火した火の展示「聖火ビジット」、採火した火を開催都市東京に送り出す「出立」などが行われる。
採火は全国各地の各自治体が趣向を凝らした方法で実施。同市は11年1月12日、日本スキー発祥100周年の「日本スキー発祥の火」を採用した。毎年1月12日の「スキーの日」に金谷山で開かれる「レルヒ少佐顕彰会」でともされているが、同火はその都度ベンジンを燃料とするカイロなどを使って着火。火そのものの継承は行われていないが、市によると「思いを受け継いでいる」と言う。
同日は日本スキー発祥記念館前に市内22の中学校から、代表生徒25人と「レルヒの会」メンバーらが出席。生徒がランタンにともされた日本スキー発祥の火から点火棒を使い、14個のランタンに「上越市未来への火」として分火した。
代表の男子生徒が「上越市未来への火はやがてパラリンピックの聖火に育つ。誰もがより良く一生懸命に生き、可能性を輝かせ、幸福になれること、平和で豊かな社会の構築が実現できることなどの願いを、今日集めたこの火に託します。希望を乗せて輝けこの聖火」とスピーチした。
上越市未来への火は13日、市役所木田庁舎をはじめ、各区総合事務所などに展示される。14日は高田城址公園オーレンプラザに一堂に展示予定。時間はいずれも午前10時から午後4まで。15日にはオーレンプラザで「上越市集火式」を実施。ランタン14個の火が一つに集められ、「上越市の火」が誕生する。火は同日午後と16日午前10時から午後1時まで、謙信公武道館で展示される。
同日は県の集火式が新潟市で行われ、県内30市町村の火がまとめられた後、「新潟県の火」となり、パラリンピック聖火として東京都へ送り出されることになっている。