歩行者数の減少とまらず前年比9%減 高田中心市街地活性化 行政にさらなる関与求める声も

新潟県上越市の高田地区中心市街地活性化事業の2つの核と位置づけられた商業施設「イレブンプラザ」(本町4)と「あすとぴあ高田」(本町5)がオープンして3年目。高田地区の中心市街地の歩行者交通量は毎年減少しており、今年は速報値で前年比9%の大幅減であることが2015年9月11日に開かれた同市中心市街地活性化協議会で報告された。

歩行者交通量は高田地区では6か所で毎年5、6月に平日と休日の各1日に調査している。

国の中心市街地活性化事業の認定を受けた2施設がオープンした2013年の1日の平均歩行者通行量は7765人で、当初目標としていた1万人には届いていない。翌2014年度からは、商店街などが主体的にソフト事業を実施する中心市街地活性化プログラムを進め、2016年度までの3年間で交通量10%増加を目標に取り組んでいる。しかし2014年の交通量は7462人で前年比4%減。今年は6783人で同9%減とさらに大きく減少している。

本町商店街
本町

調査した6か所の増減率を見ると、雁木通りプラザ前(本町3)が前年比25%減、高田駅前郵便局前が同11%減と減少している一方、あすとぴあ高田前が2%増となっていることから市の担当者は、「新幹線開業により高田駅の利用客が減った影響があるももの、2つの核が減少を食い止めている」と分析した。これに対して、高田駅前の商店街関係者からは「いい数字の評価の羅列で実際に起きていることと相当に乖離している」との意見も出た。

行政にさらなる関与求める声

にぎわいを取り戻すはずだった中心市街地活性化事業は完了したが、その後も歩行者数の減少は止まらない。この現状について、出席した関係者からは市の更なる関与を求める声が出た。

本町商店街関係者は「歩行者だけでなく車も減っている。旧第四銀行高田支店(本町3)の利用はどうなっているか。2核にさらにもう1核、人がやってくる場所を作りたいが、(銀行は)市の建物なので我々は勝手に動けない」と述べた。

あすとぴあ高田の所有者「三井企画」の担当者は「歩行者を増やすにはそこに来たくなるような魅力のあるものが必要。ぜひ中心市街地に魅力あるものができればいいと思う」と述べた。さらに「儀明川の周辺がデートスポットになるような整備もしてほしい」と要望した。

上越市の秀澤光夫産業観光部長は「中心市街地活性化プログラムは、商店街や地元の皆さんが主役で市は側面から支援するというもの。市に何かをやってもらうとか、市が何かを作るというのではなく、それぞれの個店の魅力アップなどをお願いしたい」と答えていた。

2013年度まで実施された高田地区中心市街地活性化事業は、ハード、ソフト合わせて50事業があった。主な事業費は、イレブンプラザが当初計画ベースで6億1000万円でこのうち3億8000万円が国からの補助金。あすとぴあ高田の事業費は同39億8000万円で、このうち25億円が国や市からの補助金。これ以外にもイベントやまちづくり会社への補助金などのソフト事業も実施してきた。