新潟県上越市大潟区にある鵜の浜温泉の旅館「湯元館 酔洋(すいよう)」が2018年2月19日、玄関に貼り紙を掲示し営業を停止した。佐野正典社長は、鵜の浜温泉観光組合の組合長で、今年再選したばかり。同温泉は今年開湯60周年を迎えるため、同組合が事業計画を作成している矢先だった。
佐野社長が組合関係者に19日夜、送付したファクスによると、19日で営業を終了したこと、これから破産手続きに入ること、混乱を招いたおわびなどが書かれている。
副組合長を務める「みはらし」の佐藤豊社長は「突然のことで驚いている。60周年事業もあるので、(組合員を)至急集めて協議しなくてはならない」と話している。
登記簿によると会社の商号は「株式会社湯元館」(資本金1000万円)で、1974年(昭和49年)3月29日創業。約20年前に鉄筋コンクリート6階建てに改築し「湯元館 酔洋」とした。6階に展望風呂を備え、全13室からのオーシャンビューが人気だった。
鵜の浜温泉は1958年開湯。旅館・ホテルと民宿合わせて10軒が営業していたが、湯元館の営業停止で、9軒に減る。昨年5月頃には土産店「鵜の浜おみやげセンター」が閉店している。