新潟県上越市本町6の高田世界館は2015年10月1日(木)から4日(土)まで、日本映画の名作がワンコインで見られる「104映画祭」を開催する。今年は昭和時代の喜劇4本をフィルムで上映する。
文化庁の優秀映画鑑賞推進事業の一環として、高田世界館が100周年を迎えた2011年から、東京国立近代美術館フィルムセンターが所蔵する映画フィルムの巡回上映が行われている。
今年は、渥美清やフランキー堺、伴淳三郎など、日本のコメディアンの真髄が楽しめる昭和の喜劇4本を上映する。料金は1作品500円、4作品1500円。上映時間はちらし参照。
「おかしな奴」(1963年東映)
自ら「珍顔」を名乗り、戦後の落語界で爆発的な人気を誇った風変わりな落語家、三遊亭歌笑(1917~50)の短い人生を描いた東映作品。渥美清の「男はつらいよ」以前の代表作。沢島忠監督。シネマスコープ、白黒、110分。
「喜劇・大安旅行」(1968年松竹)
新婚カップルのあふれる和歌山県の紀勢本線沿線を舞台に、蒸気機関車の機関士と専務車掌という「鉄道一筋」の父子の恋愛騒動を描いた松竹喜劇「旅行シリーズ」(1968~72)の第1作。伴淳三郎とフランキー堺が父子を演じている。瀬川昌治監督。カラー、シネマスコープ、94分。
「吹けば飛ぶよな男だが」(1968年松竹)
大阪の街を舞台に、やくざの幹部に憧れるチンピラと九州から出てきた家出娘の恋模様を描いた山田洋次監督の秀作コメディ。当時、若手コメディアンの成長株であったなべおさみと、一風変わった存在感を放つ女優緑魔子が好演。ミヤコ蝶々、犬塚弘も脇を固めている。「キネマ旬報」ベストテン第10位。カラー、シネマスコープ、91分。
「あゝ軍歌」(1970年松竹)
1960年代以降の松竹喜劇を支えた前田陽一監督の代表作。戦争中、精神障害の真似をしてわざと野戦病院に入り、死を逃れた二人の男は、その後、戦没者をまつる神社へ遺族を案内する怪しげな観光ガイドとして暮らしていた。その男たちのもとへお婆さん、未亡人、少女、ヒッピー風の男が次々と迷い込んでくる。主演はフランキー堺。カラー、シネマスコープ、88分。