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柏崎の行列ラーメン店「春紀」が上越市板倉区に移転 10月5日オープン

2年前

柏崎市高柳町の交通の便が悪い場所ながら、1時間待ち以上の行列はザラという人気ラーメン店「春紀(はるき)」が2016年10月5日、新潟県上越市板倉区田井に移転オープンする。

ラーメン店は交通量が多いか、周りに住宅が多い場所に出店するもの……という常識に反する立地。それなのに、なぜ行列ができるのか。その疑問を晴らすため9月26日、オープン前に試験営業するという情報を聞きつけ、店主にインタビューした。

上越市高田地区の中心部から南東へ車で15分。田んぼに囲まれた集落にある一軒家が店舗である。普通の住宅で看板はなく、「ラーメン」というのぼり旗が1本。カーナビを使わないとたどり着けないかもしれない。

普通の住宅がラーメン店になった。店名看板は室内にあるが、外にはない
2016-09-26 春紀店舗

さて、開店の30分前だというのに、どこから情報を聞いたのか、5人ほどが待っていた。取材の前にラーメンを食べておこうと、客にまぎれて並んだ。

醤油ラーメンに味玉をトッピング
春紀醤油らーめん

試験営業なので、醤油と塩の2種類しかメニューにはない。「醤油らーめん」(750円)を注文し、味玉のトッピングも頼んだ。30分ほどの待ち時間で運ばれてきた一品。厚さ1cmはあろうかというバラ肉のチャーシューが2枚。口の中でとろけるような柔らかさで、肉のうまみがしみ出してくる。やや濁りのあるスープは、雑味のない深い味わいだ。麺はコシがあり、食感もいい。ガツンとくるインパクトはないが、味のバランスが良く、並んでまで食べるファンの気持ちが分かる。

「春紀」店主の永野孝春さん
春紀店主

営業時間終了後に再び訪れ、店主の永野孝春さんに話を聞いた。

なぜ、板倉区の一軒家を店に選んだのでしょう。

高柳町では路上駐車せざるを得ず、この先営業を続けると地域に迷惑がかかると思ったんです。それと、積雪4mぐらいのすごい豪雪にも困りました。移転場所は、広い土地と建物が第一条件。仕事が好きなので、手の届くところに仕事場(店)が欲しかったんです。高柳では店舗兼用住宅でしたので、一軒家を探しました。ここは広い畑があったので、駐車場は21台分確保できました。玄関が広いので、真冬でも中に入って待ってもらえます。値段も手頃でしたし。

東京の「目黒雅叙園」で日本料理をやっていたそうですね。

5年ほど日本料理を勉強し、その後は特養ホームの調理をやったりしていました。その後、ラーメンの奥深さを知り、食べ歩きして独自で研究したんです。ラーメンはやったことがなかったので興味がありました。食べ歩きでは、店員の動作、作る工程なども研究しました。40代後半で高柳町に店を持ちましたが、お客さんからいろいろ教わって研究したんです。正直なところ育ててもらいました。

いつから行列店になったんですか?

中越沖地震が起きた直後の2007年9月、当初はカウンター4席でオープンしました。半年後ぐらいに月刊誌に取り上げられたのがきっかけで人気が出ました。近畿や四国からいらっしゃる人もいましたね。東京にいる時、関東の有名店を食べ歩きしましたが、新潟県のレベルは高いですよ。上越でも「麺屋あごすけ」さんは、東京の有名店でもまねができない味で、本当に驚きました。

今年2月6日深夜、テレビ朝日系列(本県はUX)で全国放送された番組「スマステ!!」に取り上げられ、待ち時間ランキングで全国2位になりましたね。

雪の中で行列する様子が珍しかったんじゃないですか。栃木から片道10時間かけてやってきて、常連客になった人もいます。

日本料理をやっていたので和風だしかと思ったら、肉系の味もしました。

スープのベースは豚骨と鶏ガラ、それにニンジン、玉ねぎ、ニンニク、ショウガなどの香味野菜です。サバ、カツオ、煮干しで仕上げます。

有名になった「メギスらーめん」はどうですか?

メギスらーめんはメギス100%のスープです。上越市に出店したのも、良いメギスが手に入るからです。臭みが出ないように内蔵や腹膜まできれいに処理して、サラマンダー(上火式グリル)で焼き、5日間干します。メギスが捕れる地域は限られているので、ここに来なくちゃ食べられないらーめんというのがいいですね。

開店時にはまだ用意できませんが、時々メニューに入れるかもしれません。落ち着いたら、高柳町と同じメニュー構成にする予定です。

上越特産のメギス(下処理済み)
メギス

チャーシューが、分厚くて、柔らかくて絶品でした。

カナダ産のバラ肉が、冷凍じゃなくてチルドで出ています。味は国産肉に負けず、コストも安い。おいしくて食べごたえがあるので好評です。チャーシューは空気に触れるとすぐに酸化してネズミ色になります。手間はかかるけれど、提供する直前に切って出しています。コストはかからず、おいしいんです。

新しいメニューの開発もしますか?

これから取り組みます。でも、アイデアが形になるのは100のうち1つぐらい。それがお客さんに認められるのは、さらに100のうち1つ。だから実質は1万分の1ですね。

シンプルなものをいかにおいしく食べさせるかが料理人の腕。シンプルなものこそが、腕を問われるんです。雑味を隠してしまうようなものはだめで、それが難しいから化学調味料に頼ることになるんです。化学調味料を使えばおいしくなりますが、それはちょっと違うんじゃないかと。

テーブルが4卓とカウンター5席の店内
店内

「春紀」(新潟県上越市板倉区田井)