s新潟県妙高市の北条周辺の農地に、円筒形の白い「牧草ロール」が点在する特異な景観が見られる。地元の水上商工振興会(梅澤一宏会長)は、2年前から包装面を利用して標語を書き、子供たちに交通安全などを呼び掛けている。2020年6月上旬には、新型コロナウイルスの感染予防を訴える標語が登場した。
牧草ロールは、牧草をポリエチレンのラップで巻き上げて中で発酵させる仕組みで、従来のタワー型サイロに代わって、北海道など畜産が盛んな地域で見られるという。
北条地区では、約10haの休耕田を利用して畜産組合が牧草を栽培している。牧草は毎年春と秋に刈り取り、大型機械を使って直径1mほどのロールに仕立てる。
白くて丸い形状は遠くからでも目立つことから、水上商工振興会では畜産組合の了解を得て、2年前から牧草ロールに標語を書き通学路などに掲示をしている。
発案者の一人、かんずりの東條邦昭会長は「当初はいたずら半分で始めたが、次第に交通安全や火の用心、選挙の呼び掛けなどに使うようになった」と経緯を話す。
梅澤会長は「通学路でもあり、地域から犯罪や交通事故がないように願って、呼び掛けに利用させてもらっている。今後は地域から公募することも考えている」と話す。
今年は新型コロナウイルスの感染予防として、3密の防止、マスクや手洗い、うがいを呼び掛ける標語が登場した。場所は、JAえちご上越の北条カントリーエレベーター周辺。