新潟県上越市仲町2の老舗料亭「やすね」だった建物が、県内で冠婚葬祭業などを行うビップ(新潟市中央区)の葬祭場「法宴会館 やすね」「家族葬ホール 別邸きずな」として2023年6月下旬にオープンする。建物はコロナ禍の影響で2020年3月からやすねとしての営業を休止したまま、2021年末にビップに売却されていた。
ビップ上越支社によると、本館建物の1階と、“はなれ”として使用されていた同じ敷地にある別の建物を改修。本館建物1階は「お斎(とき)」と呼ばれる通夜後の食事や法要の会食の会場として利用する法宴会館に、はなれの建物は1組限定の家族葬ホールとなる。
家族葬ホールは椅子式で40人程度までの参列が可能で、1組限定のため他家の参列者と居合わすことなく故人を見送れるという。法宴会館は、2部屋に間仕切ることもできる70席程度の会食会場と12席程度の和室2部屋となる模様。いずれも建物内の厨房で調理した料理を提供する。
同社は同市土橋に2005年にオープンした葬儀場「VIPシティホール上越」があるが、これまで会場が足りず、同じビップグループの他の葬儀会社の会場を借りる場合もあったという。上越支社は「遠方からの参列者も集まりやすい場所で葬儀や法要ができる」としている。オープン前の6月中旬には内覧会も予定している。
「やすね」の名前復活
やすねは2021年12月に建物を売却後、2022年1月に商号を「OT企画」に変更したことから、1894年(明治27年)創業で128年続いた「やすね」の名前はなくなっていた。ビップ上越支社によると、“やすね”の名前は建物と共に市民になじみがあることから、新たな施設の名称に使用したという。