氷点下の中夜通し救助活動 トルコ地震派遣終えた上越消防署の岡田さんが報告

トルコ南部で2023年2月6日に発生した地震で、日本の国際緊急援助隊として被災地に派遣された上越消防署特別救助隊副隊長の岡田俊介さん(41)が21日、上越市役所で中川幹太市長に活動内容を報告した。氷点下の寒さの中で夜通し続いた救助活動や、現地の過酷な状況を振り返った。

中川市長に救助活動の報告をする岡田さん

岡田さんは、消防や警察、JICAなどの74人からなる国際緊急援助隊の救助チームとして、7日に出国。9日から14日まで、被害が深刻なトルコのカフラマンマラシュ県で、倒壊家屋に取り残された人の救出活動に当たった。地中音響探知機や画像探索機などの資機材を用いて要救助者を探し、チームとして6人を救出したが全員死亡が確認されたほか、生存者1人の診察を実施し、15日に帰国した。

岡田さんは現地の状況について「倒壊家屋が点々とし、がれきの山。不安定な状態で、危険と隣合わせだった」とし、最初の現場では36時間にわたり活動したが、余震で亀裂が広がり危険な状態となり、建築士の判断で撤退せざるを得なかったという。夜には氷点下でのテント生活となり、まとまった睡眠が取れない過酷な状況だったが、現地住民からは空港や街で感謝の言葉を掛けられたと明かした。

カフラマンマラシュでの日本の救助チームの活動の様子(JICA提供)

テント生活を送る日本の救助隊(JICA提供)

岡田さんは「要救助者がいれば時間に関係なく、長期に及ぶ救出活動をしたのが訓練との大きな違い」と、実際の活動の苦労を語った。

中川市長は「非常に大変な現場だったと感じる。この経験をこれからも生かしていただき、悲しみも抱えていると思うので、胸に秘めながら、ますますの活躍を期待している」とねぎらった。