スキー場にトウガラシ舞う 雪を求め池の平で「かんずり」雪さらし作業開始

1年のうち最も寒い時期とされる大寒の2023年1月20日、新潟県妙高市の特産「かんずり」の主原料となるトウガラシの雪さらし作業が始まった。少雪のため雪を求めて妙高山のふもと、標高800mの池の平温泉アルペンブリックスキー場で行われ、観光客らも作業を体験した。

妙高山を背にトウガラシの雪さらし作業をする従業員

かんずりは上越地方伝統の香辛調味料で、商標登録している同市西条の「かんずり」(東條昭人社長)が製造販売する。

同市の冬の風物詩としても知られる雪さらしは、トウガラシのあくや塩漬けによる余分な塩分を抜き、味をまろやかにする重要な工程。天候を見ながら3、4日雪にさらし、こうじやユズ、塩と混ぜ合わせて3年間じっくり熟成、発酵させる。今年は20cmほどの大ぶりな妙高産トウガラシ6tを仕込む。

かんずりの主原料となる妙高産トウガラシ

作業が行われたのはスキー場のホテルアルペンブリック前広場で、積雪は1mほど。青空の下、従業員4人が雪の上に真っ赤なトウガラシ約400kgを手際よくまいていった。一般向けの体験会もあり、スキーヤーや地域住民らが挑戦し、写真撮影するなど楽しんでいた。

体験会の参加者は写真撮影など楽しんだ

オーストラリア出身で同市杉野沢に住むマイケル・ブラウニングさん(51)は「観光客も皆喜んでいたし、おもしろかった。辛さと発酵している味が好きで、鍋や鶏肉など何でも合う」と笑顔だった。

東條社長は「雪が降らず心配していたがリゾートの方から協力いただき、天気も良くうれしく思う。雪を使って作る工程を含めて味を知って、使っていただければ」と話した。

作業は週2回程度のペースで2月末まで続く。スキー場での実施は初回のみで、今後は同社近くで行う予定。