上越方言の「おまん」連発! 龍馬伝

岩野勇三作のブロンズ像「おまんた」(高田公園)

「龍馬伝」に出てくる「おまん」

代表的な上越方言(頸城方言)の「おまん(あなた)」が、NHK大河ドラマ「龍馬伝」の中で頻繁に出てくる。

例を挙げると、第15回「二人の京」で、かつては結婚を誓い合った二人、平井加尾(広末涼子)と龍馬(福山雅治)が京都で再会するときの会話。

加尾「どうして竜馬さんは京へ?」
龍馬「それは、おまんに会いに来たきじゃ」

土佐を脱藩した龍馬だが、加尾は兄の忠告を聞かず龍馬をかくまう。そして共に一夜を過ごす艶っぽい場面である。

龍馬「おまんと二人でおるゆうことは、土佐でもなかったきにのう。わしゃ、おまんの顔がまともに見れんちゃ」

アクセントも上越と同じである。

第16回の「怪物、容堂」では、千葉道場に行った龍馬が、好意を持たれている佐那(貫地谷しほり)に自分が生きる道を見つけたことを話す場面。

龍馬「お佐那のことは、生涯忘れませんき」

佐那は龍馬の剣道の師匠であることから、「おまん」を使わず、名前を呼んでいる。

このように土佐弁での「おまん」は、男が女に対して使う場合がほとんどで、目上に対しては使わない。目下か同輩の場合になる。

大橋氏と小林氏の方言に関する本

複数形の「おまんた」は土佐では使わない

なお、「おまん」の複数形は上越では「おまんた」であるが、土佐では使わない。龍馬伝では「おまんら」と言っている。「スケバン刑事Ⅱ」で麻宮サキ(南野陽子)が言った「おまんら、許さんぜよ!」と同じである。

ちなみに、「おまん」は関東地方では女性器を指すので、会話の際は気を付けた方が良い。